JR中央線「武蔵小金井駅」南口駅前にある文化施設です。578席の大ホールをはじめ、小ホール、市民ギャラリー、4つの練習室、和室、マルチパーパススペースがあります。
最新の書き込み
 
 
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年

 
〒184-0004
東京都小金井市本町6-14-45
TEL: 042-380-8077
FAX: 042-380-8078

開館時間: 9:00 ~ 22:00
受付時間: 9:00 ~ 20:00
休館日: 毎月第2火曜日および第3火曜日(祝日の場合はその直後の平日) / 年末年始
【こがねいジュニア特派員レポート vol.24】滝 千春「12-toneS」~バルトーク・シュニトケ・ペルト~ 23. 12. 25

市内の小中学生による「こがねいジュニア特派員」が鑑賞レポートを書いて発信!
ぜひご覧ください。(原文のまま、書き起こしています。)

***************************************

新鮮な音楽

小金井市立小金井第四小学校 6年 島田愛理

私は、十二月九日に「滝千春 12-toneS」の演奏を聴きに行きました。始めに、大ホールの舞台で開演前のピアノの位置や照明の最終チェックをしている所を見学させてもらいました。照明などにも滝さんのこだわりが詰まっているそうで、念入りに確認している姿が見られました。今回のプログラムは、珍しい横型なのですが、それも滝さんのこだわりなんだそうです。こだわりが沢山詰まっているんですね。その後、宮地楽器ホールの構成や、ジュニア特派員の説明をしてもらい、本番が始まる時間になりました。

照明が暗くなり、赤色のドレスの滝さんが出てきました。最初はシュニトケの曲です。ピアノと息が合っていて、私が聴いている二階にまで息を吸う音が聞こえてきました。周りの人も目をつぶってよく聴いている様子が見られます。

DSC5075.jpg

シュニトケの曲の中で一番衝撃を受けたのは、「きよしこの夜」です。元の「きよしこの夜」は知っていたのですが、シュニトケの「きよしこの夜」は原曲をアレンジしていました。所々が不協和音になっており、皮肉な感じがして不思議だったけど面白いと思いました。「ヴァイオリン・ソナタ 第一番」を弾いている時に弓の毛が切れていて物凄い迫力で演奏していたんだなと思いました。私は、第三章がハラハラするイメージの曲で記憶に残っています。

休憩時間を挟んだ後、再び公演が始まりました。次の曲はぺルトの曲です。滝さんは、前半とは違う黒色の衣装を着て登場しました。また、もう一つ前半と違う所がありました。それは、十二人の仲間たちが出てきたことです。今回の、「滝千春 12-toneS」という題名には「十二音技法は音が均等に扱われているのが特徴であり、誰一人抜けてはならない」という意味が込められているそうです。ソロの時とはまた違う、音の掛け合いを聴くことが出来ました。滝さんがメロディを弾く中、他の人たちはそれを支えているような音を弾いていて、前半とは違う良さがありました。

_DSC5376.jpg

後のバルトークの曲が終わり、公演が終わったと思いきや...。なんと、アンコールの曲を演奏してくれました!!曲名は、ピアソラの「フーガと神秘」です。準備をしている時に四角いイスのようなものが出てきました。「これは何だろう?」と思っていると、そこに人が座り、イスのようなものを叩き始めました。後から教えてもらったのですが、これは「カホン」という楽器なんだそうです。演奏中には叩くだけでなく、ブラシのようなものでカホンを擦って「シャカシャカ」という音を出していました。情熱的でジャズのような感じがする曲で、聴いていて愉快な気持ちになりました。

今回、演奏されていた曲は私にとっては聴き慣れていない曲が多くて新鮮でした。私はヴァイオリンを習っているのですが、ピッチカート、他の楽器との息の合わせ方などがとても参考になりました。また、生の演奏を聴く機会があったら、今回学ばせていただいたことを参考にしながら聴きたいです。

(公演写真:藤本史昭)

***************************************

IMG_7536.jpg IMG_7539.jpg

お客さんの様子や、公演全体の流れが見えるようで
文章のバランスがとても上手です。
ヴァイオリンを習っている島田さんが描く
楽器のイラストからも楽しさが伝わってきます。

スタッフによるイベントレビューはこちら

 
【こがねいジュニア特派員レポート vol.23】滝 千春「12-toneS」~バルトーク・シュニトケ・ペルト~ 23. 12. 25

市内の小中学生による「こがねいジュニア特派員」が鑑賞レポートを書いて発信!
ぜひご覧ください。(原文のまま、書き起こしています。)

***************************************

こがねいジュニアとくはいん
小金井市立前原小学校 3年 佐野 笙

12月9日(土)、小金井 みや地楽きホールに滝千春「12トーンズ」を聞きに行きました。
プログラムは、白と黒と赤でとてもかっこいいと思いました。えんそうしている、滝千春さんのドレスの赤とキラキラの銀と同じふんいきがしました。
プログラムの「滝」の三ずいをよく見るとヴァイオリンのイラストになっていて、デザインもこだわっているのだと感じました。
滝さんは、手だけではなく、体全体を使ってえんそうしていて、聞いている人に、音楽をとどけようという気持ちが伝わってきました。

DSC5322.jpg

シュニトケの「きよしこの夜」は、クリスマスのきせつに聞いたことがあるメロディーだったけれど、だんだんふしぎな音がふえていって、ぶきみな世界につれていかれる気持ちになりました。ヴァイオリンのこまをまわして、キィーと音がかわっていったのも、びっくりしました。ピアノの中に手を入れて、だがっきみたいな音にかえてえんそうするのもはじめて見ました。休けい中にピアノをチューニングしていたのは、手を入れて、音をかえてえんそうしていたから、正しく音を入れ直しているのかなと思いました。

ピアニストは、滝さんをよく見て、タイミングを合わせていました。滝さんの音が、かがやくようにピアノもとてもきれいな音で、えんそうしていました。

_DSC5368.jpg

ぼくは滝さんのえんそうを色でたとえると「むらさき」だと思います。ちょっと、こわいはげしい音の所は赤くて、さわやかできれいな曲は青い色に感じたからです。いろいろな音が出せる滝さんのえんそうはすごかったです。

アンコールのピアソラはこちらもノリノリになるリズムで楽しかったです。

(公演写真:藤本史昭)

***************************************

IMG_7535.jpg

音を色で表現したレポートを書いてきてくれた佐野くん。
豊かな感性が光っています。

スタッフによるイベントレビューはこちら

 
【こがねいジュニア特派員レポート vol.22】神田伯山 独演会 23. 12. 25

市内の小中学生による「こがねいジュニア特派員」が鑑賞レポートを書いて発信!
ぜひご覧ください。(原文のまま、書き起こしています。)

***************************************

神田伯山 独演会 新聞

ジュニアとくは員
小金井市立緑小学校 3年 近野真帆

【神田伯山さんとは?】
日本一チケットが取れない講談師で、百年に一人の天才といわれています。平成19年に三代目神田松鯉に入門し、「松之丞」さんになりました。
令和2年に真打昇進と同時に六代目神田伯山さんになりました。
講談だけではなく、講談ではないお話もしてくれました。わたしは神田伯山さんのおばあさんのお話がおもしろくて、大わらいしてしまうほどおもしろかったです。

_DSC4978.jpg

【講談とは?】
講談は、らく語ににていて、言葉だけでわらわせるものです。らく語とちがうところは、会話だけではなく、くわしいせつ明もしながら、お話を進めていくところです。

講談で使う道具は、はりおうぎと、しゃくだいです。ほかには、らく語と同じように、せんすや、手ぬぐいも使います。
はりおうぎ...しゃくだいを打つ道具です。お話の場面がかわる時に、「パンパン!」とならしていました。
しゃくだい...昔は、本をおいていた台です。ぶ台を見せてもらった時に、しゃくだいの内がわを見たら、「一龍斎貞水贈」と書いてありました。

shakudai.jpg

【今回のえんだいは?】
今回のえんだいは4つありました。

一、 狼退治(梅之丞さん)
お弟子さんの梅之丞さんがえんじてくれました。みやもとむさしがおおかみをたいじするかっこいいお話でした。

一、 阿武松(伯山さん)
ごはんを7しょう食べるおすもうさんのおもしろいお話でした。

一、 万両婿(伯山さん)
「30分のはずが、お客さんがいっぱいわらっていたので、48分になってしまいました。」と伯山さんもわらっていました。小四郎がいろいろな目に合ったけど、さい後は、幸せになるお話でした。

_DSC4793.jpg

一、 南部坂雪の別れ(伯山さん)
忠臣ぐらのお話でした。会場が暗くて、かなしいふんいきがしました。47人の名前を言っていてすごかったです。

_DSC4859.jpg

【感想】
むずかしい言葉が多くて少しむずかしかったけど伯山さんの講談や、お話は、おもしろかったのでまた見に行きたいです。

(公演写真:藤本史昭)

***************************************

IMG_7532.jpg1801_001_2.jpg

新聞形式で3つの項目に分けて、分かりやすく書いてきてくれた近野さん。
伯山さんの絵も上手!

スタッフによるレビューは【こちら

 
【こがねいジュニア特派員レポート vol.21】神田伯山 独演会 23. 12. 25

市内の小中学生による「こがねいジュニア特派員」が鑑賞レポートを書いて発信!
ぜひご覧ください。(原文のまま、書き起こしています。)

***************************************

レポート「神田伯山独演会」

小金井市立小金井第二中学校 2年 反町佑

 今最もチケットが取れないといわれている講談師、神田伯山。今や講談界の押しも押されぬ大看板になろうという逸材だ。その逸材が、小金井にやってくる。そうなったら、もう行くしかない。自分は伯山先生のラジオを毎週聞いている。講談もよく聞く(専門は落語だが)。運の良い事に、今回はジュニア特派員として見に行く事が出来た。そして今、その会のレポートを書いている。どれくらいの長さになるかは分からないが、会の感想や根多の内容やら伯山のこれからやらについてつらつらと書き連ねていこうと思う。お目汚しですが、お付き合い下さい。

 一度、この小金井宮地楽器ホールで講談を聴いたことがある。その時聴いたのが、神田松鯉だった。他でもない、伯山の師匠である。演っていた根多は、季節もあって、「赤穂義士外伝 天野屋利平」。さすが人間国宝という芸を見せてくれた記憶がある。さて、弟子はどうなんだろう...と思っているうちに会が始まった。開口一番に続いて伯山登場。今回は仲入り前に二席、仲入り後に義士伝を一席。仲入り前に演ったのが、「阿武松」と「万両婿」である。この二席、共通点がある。それは、落語でも演じられているという事。そして、落語の方が有名なのだ。前者は同名で、後者は「小間物屋政談」という名で親しまれている。元は講談なのに。自分も落語でしか聞いた事がない。さて、どうなるんだろうと聴いてみると、やはり落語と講談の違いがはっきりと浮かび上がってきた。その違いをつくるものが、張扇である。張扇とは、講談師が釈台を叩くときに使うアレだ。落語には、張扇がない。その分、講談は物語の山場で盛り上げられる。客を引きこめるのだ。今日も、伯山先生の勢いの良い語り口とホールに響き渡る釈台を叩く音に観客は引きこまれ、気付けばお仲入り。

落語とはまた違った良さがあり、同じ根多でここまで変わるものかと思わされた。他の落語もある講談の根多を聴いてみようかと、一人思った。
 さて、仲入り前でもう満足なのだが、ここで問題が一つ。伯山が熱演しすぎて、時間がない。仲入り後は今日のメインと言っていい、義士伝だというのに。大丈夫なのだろうか。時間ギリギリで席に着く。そして、黒紋付に着替えた伯山登場。時間は延ばしてもらえたらしく、少しマクラを振ってから根多に入る。「赤穂義士銘々伝 南部坂雪の別れ」。一言で言うと、別れの噺だ(まとめすぎ)。というか、この赤穂義士伝全体が別れの噺なのだ。討ち入りに征く四十七士とその家族、友人、大事な人との別れを描いているのだ。義士達の人数だけ、別れがある。その一つ一つを描いたのが、赤穂義士伝なのだ。それを初めて聞いた時、初めて腑に落ちた気がした。自分はあまり忠義というものが好きではない。だから、赤穂義士伝というものもそこまで好きではなかった。だがそれを聞いて、そして伯山先生の「南部坂雪の別れ」を聴いて、そういった感情は消え去った。暗くなったホールにスポットライトで浮かび上がった伯山先生は、仲入り前とは打って変わった落ち着きようで、ホールの客を引きこんでいく。伯山先生は、この別れのストーリーを繊細に、そしてダイナミックに語っていく。涙が出そうになった。気がついたら場内は明るくなり、大拍手に包まれていた。ようやく、赤穂義士伝を好きになれた気がした。

 こうして会は終わった。ただただ、凄かった。だが、一つ心配な所もある。今でああ上手かったら、年を取ったらあの芸はどうなってしまうのだろうか。伯山が早熟でないことをただただ願うばかりだ。そして、もう一つ思っていることがある。伯山先生には、芸人でも、芸能人でもなく、講談師として生きていってほしい。講談師・神田伯山先生の今後のますますのご成長とご活躍をお祈りいたしまして、この特派員レポート、大団円でございます...。

(公演写真:藤本史昭)

***************************************