今年度も当館では、市内の小中学生が鑑賞レポートを書いて発信する「こがねいジュニア特派員」企画を継続!
ぜひご覧ください。(原文のまま、書き起こしています。)

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藤原道山 × SINSKE
~尺八とマリンバによる世界最小オーケストラ~
「Piazzolla」

小金井市立東小学校 4年 中村 碧

わたしは、尺八そう者の藤原道山さんとマリンバそう者のSINSKEさんの2人のコンサートをかんしょうしました。

前半にピアソラというアルゼンチン作曲家の曲、後半に藤原道山さんやSINSKEさんのオリジナルのえんそうがありました。
その中から、わたしの印象に残った曲を紹介します。

まずは「タンゴの歴史」より
Bordel 1900
Café 1930
Night Club 1960 です。

この曲は、「タンゴ」というおどりの60年の楽しみ方を表した曲です。タンゴは昔は男の人がおどるおどりでしたが、だんだん曲を楽しむようになりました。

Bordel 1900は、ジャズっぽい感じがしました。
えんそう者の藤原さんとSINSKEさんが楽しそうにひいていたので、こちらも楽しくなりました。
たまにSINSKEさんがマレット同士をたたいて「カチカチ」と音を鳴らしていたので、「こんな技もあるんだなぁ」と思いました。

Café 1930は、一変しておしゃれなふんいきを感じました。
また、尺八の音と音のつなぎ目がなめらかできれいだなと思いました。
マリンバもとてもきれいで、音を出す時に「ふわっ」と力をぬいていることがわかりました。

Night Club 1960は、メリハリがあって、ゆっくりな所も速い所もありました。
最初はゆっくりで、音色がきれいでした。尺八が「ララ~ン」と歌う所が何度も出てきました。
次は急に速くなり、尺八が「タッタッタ タッタッタ」というリズムをたんとうしていました。
最後は「ジャン!」と元気に終わったのでもり上がりました。

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次は「東風(こち)」という藤原さんの曲です。
この曲を一言でいうと、「迫力満点」です。
すごかったので、おもわず手が止まってしまいメモもあまり書けなかったほどです。足を「ドンドン」とドラムのようにしていたので、迫力が出てもり上がっていました。尺八で「ピー!」とやるところもかっこよかったです。 またききたいなと思いました。

楽器しょうかい

●尺八
尺八は、自分が知っているそう法よりもたくさんのそう法があると思います。
使う体の部分は口と指だけではないのです。
主な材料...竹
形は単じゅんで竹のつつに穴をあけたかんじです。

穴を開け閉めするだけでは5つの音しかでませんが、穴を少しだけ開けたり、首をたてにふったり、足で下の穴をふさいだり、音を変える方法はたくさんあります。

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尺八をくわえたじょうたいで首をたてにふると音の高さがかわるのですが、横にふるとビブラートをかけることができます。

ふく習クイズ
① 穴を開け閉めするだけでは音はいくつしか出ない?
② 尺八をくわえたじょうたいで首をたてにふるとどうなる?
答えはこのページにかくれています!

26-5.jpg

●マリンバ
強くたたくとかん単にわれてしまいます。
マレット→ピンクや白など色は様々
長さ...2.7m(SINSKEさんのマリンバの場合)
重さ...約100kg
マリンバはローズウッドという木からできていて、ローズウッドはギターや家具などにもよく使われます。

マレットは、1つの種類だけでなく色々な種類があります。
マレットによって固さがちがい、やわらかい音色や深い音色などその時によって持ちかえます。

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ふく習クイズ
① マリンバは何という木からできている?
② SINSKEさんのマリンバは何mある?

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楽器についてくわしくなれましたか?

感想
わたしは、尺八やマリンバにはあまりなじみがなく、生でえんそうをきいたのが今回で初めてでした。そのため、とても新せんでコンサートにむ中になりました。
尺八とマリンバという、和楽器と洋楽器のユニークな組み合わせで最初は想像がつかなかったのですが、きいてみると尺八のすき通った音色とマリンバの深みのある音色のハーモニーがとてもきれいで、すばらしい組み合わせだなと思いました。

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ふじ原さんとSINSKEさんはクラシック音楽のへん曲やオリジナル曲の作曲もしていて、とてもきれいだったりユニークだったりと色々なタイプの曲が楽しめました。
ぜひ、このレポートを読んでくれた方にも
ふじ原道山さんやSINSKEさん、それぞれの楽器のことをよく知ってほしいし、尺八やマリンバの音色を生できいてほしいです。

ありがとうございました。


(公演写真:藤本史昭)

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B4用紙6枚のイラスト付きレポートを
書いてきてくれた中村さん。
楽器の説明も丁寧にわかりやすく描いて
興味を持ってくれてうれしいです。

スタッフによるレビューはこちらから

今回の友の会「こがねいメンバーズ」会員限定イベントは、開館10周年記念の『ピアノ・フェスティバル』の特別企画として、小川加恵さんによるフォルテピアノのレクチャーコンサートを開催しました。

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まずはレクチャーから。
ピアノの歴史は、今からおよそ300年前のイタリア、1700年頃にクリストフォリによって作られた「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(弱音も出せるチェンバロ)」から始まると言われています。
18世紀後半になると、ピアノ製作の中心はウィーンに移り、モーツァルトやベートーヴェンもこのようなフォルテピアノを使って作曲したということで、小川さんの愛器、1835年製のフォルテピアノ「アントン・シュヴァルトリンク」で、モーツァルトやベートーヴェンの小品を数曲披露。モダンピアノよりも軽快なその響きは、スケールや細かいパッセージがコロコロと軽やかで、サロンコンサートのような優雅な雰囲気に包まれました。

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フォルテピアノは音の減衰が早いということを示す実験も。
ベートーヴェンの「月光ソナタ」は、もともとは「ペダルは最後まで踏みっぱなし」の指示が楽譜に記されていたといいます。モダンピアノではペダルは踏みかえながら弾くのが当たり前なこの曲を、当時の楽器で、当時の指示通りペダルを踏みっぱなしで弾いた演奏は、非常に貴重な音体験となりました。

続くレクチャーは、お持ち込みいただいた「アントン・シュヴァルトリンク」について。
1835年、プラハ(旧オーストリア帝国)生まれのこの楽器は、ボディは木目のきれいなウォールナット、白鍵には真珠層を持つ貝が貼られ、黒鍵は金箔の上にべっ甲がかぶせられており、職人のこだわりが随所に感じられる工芸品のような美しさ。
シューベルトの「即興曲 第3番」の演奏を楽しんだあとの休憩時や終演時には、お客様も興味津々でその美しさに見とれていました。

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後半は、まさにこの楽器が生まれた頃に作曲された名曲、ショパンの「ノクターン」「幻想即興曲」から。フォルテピアノは音域ごとに異なる音色を持つのも特徴のひとつ。低音域は優雅でかすかにうなるような音色、中音域は丸く柔らかな印象、高音域ではきらめくような音色という説明を受けてから、それぞれの音域の音色を噛みしめるように楽しみました。

クララ・シューマンの「ノットゥルノ」の演奏に続いては、質疑応答を。
モダンピアノとの弾き心地の違いについての質問や、音量についての質問などが飛び交い、小川さんはこの楽器との出会いや魅了されたポイント、ご自身の小柄な体格との相性など、演奏者ならではの熱い想いを語ってくださり、最後はロベルト・シューマンの「謝肉祭」からの演奏で終演となりました。

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外は雪。凍えるような寒さの日でしたが、温もりのある音色で束の間のタイムスリップを堪能したひとときとなりました。
来年度の友の会イベントもどうぞお楽しみに。

今年度も当館では、市内の小中学生が鑑賞レポートを書いて発信する「こがねいジュニア特派員」企画を継続!
ぜひご覧ください。(原文のまま、書き起こしています。)

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小金井市立小金井第二中学校 1年 池尻淳史

 今回は二回目となる落語の公演「新春達士鳴動の会」を見せていただいた。 
 一回目に見せていただいたのは若手の落語家さんの公演だった。今回の公演は落語界のベテランの方であり、たくさん笑わせてくださるのかなと期待していた。
 しかし、実際に今回の公演を聞き、その内容は理解が難しいものばかりであった。また、私は初めて浪曲を知った。「男はつらいよ」の話だったが、寅さんも柴又も何一つ知らなかったので、会場の笑いについていけなかった。私は阿波おどりを踊っているので三味線といえば阿波おどりのぞめきのイメージしかなかった。三味線が話を盛り上げることに驚いた。

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 落語というのは一人で何人もの人を演じ分け、聞き手の想像力によって話を理解し、その映像を思い浮かべ、時に笑い時に考えさせられるものである。なぜ落語家さんは人を引き付けることができるのだろうか? 
 それは話し方である。落語家最大の武器だ。
 今回のトリは五街道雲助さんで「幾代餅」という話だった。
 私は初めて聞く話だった。雲助さんの話し方は聞きての想像力を存分に発揮させた。例えば、雲助さんがただ上を向いて「三月、三月」というセリフを言っていたのだが、私にはせいぞうの頭に血が昇ったような表情を思い浮かべられた。他にも、「餅を忘れてきちまった」というセリフにはどれだけ幾代太夫が美人だったのかを聞き手に感じさせるセリフである。

25_2.JPG

 このように聞き手の想像力をかき立てるようなセリフの表現が豊かで、声色に強弱があることによって、聞き手は落語に、のめりこむのである。達士鳴動の会の方々の落語はどれも続きが聞きたくなるような話し方で飽きないように会場の雰囲気を考えたり時代の流行を交えたりしていた。

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 私は学校で夏休みのレポートをクラスの代表として発表する機会をいただいたのだが、クラスの中で発表した時よりも上手く発表できなかった。一方的に話してしまって早口になってしまい、間を作れなかった。見られていることを強く意識して緊張してしまったからだ。
 人に聞いてもらうには人を引き付けなくてはならない。今回、相手を引き付けるための表現や声色の強弱などを学んだが、それができるには緊張しないことが大前提だ。
 落語家の方はなぜ緊張をしないのか、それは話に入る前の枕話の話術だ。落語家は枕話を使い、自分の話しやすい世界を作るのだ。
 これからも発表することがあると思うが、今回のジュニア特派員を経験して発見できたことを生かしていきたいと思う。

(写真:横田敦史)

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池尻くんは自分が感じた色々な気持ちを分かりやすく書いてくれました。
話し方にも発見があったとのことで
学校での発表の場でも生かせるといいですね。

スタッフによるレビューはこちらから

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小金井市立緑小学校 3年 西村里音

 1月21日に小金井宮地楽器ホール大ホールに落語・ろう曲を聞きに行きました。始めに、係りの人に案ないをしてもらって舞台うらから舞台に行きました。そこでわたしの目にとまったのが、『めくり』です。めくりには文字ができるだけ太く書かれています。なぜかと言うと、まず、紙を会場に見たてます。そして文字をお客さんにすると、会場にたくさんのお客さんが来ていることになります。でも、細いと少なくなるのでできるだけ太く字を書いています。

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 自分のせきにつくとビックリしました。なぜなら目の前のまくに小金井市の地図が描いてあったからです。落語がはじまる前に自分の家のある場所らへんを見つけられたので何だかうれしい気持ちになりました。

 落語が始まって空気がなごんできました。おもわず笑ってしまうような話を聞いているといつのまにかつかれがとれていました。他のお客さんもそうだと思います。

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 みんなで笑ったりはく手したりして楽しむのはいいなぁ~と思いました。それと、落語やろう曲を聞いていると心にきれいなお花畑ができていくように、あたたかなフワフワしているような気もちになりました。

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 とても楽しかったのでまた、落語やろう曲を見に行きたいです。

(写真:横田敦史)

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西村さんは開演前に見た舞台や緞帳幕や
公演のこと全てに興味を持って見てくれました。
またぜひホールに遊びにきてくださいね。

スタッフによるレビューはこちらから

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〒184-0004
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TEL: 042-380-8077
FAX: 042-380-8078

開館時間: 9:00 ~ 22:00
受付時間: 9:00 ~ 19:00
休館日: 毎月第2火曜日および第3火曜日(祝日の場合はその直後の平日) / 年末年始 / 保守点検日
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.26】
道山×SINSKE~尺八とマリンバによる世界最小オーケストラ~
23. 02. 25

今年度も当館では、市内の小中学生が鑑賞レポートを書いて発信する「こがねいジュニア特派員」企画を継続!
ぜひご覧ください。(原文のまま、書き起こしています。)

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藤原道山 × SINSKE
~尺八とマリンバによる世界最小オーケストラ~
「Piazzolla」

小金井市立東小学校 4年 中村 碧

わたしは、尺八そう者の藤原道山さんとマリンバそう者のSINSKEさんの2人のコンサートをかんしょうしました。

前半にピアソラというアルゼンチン作曲家の曲、後半に藤原道山さんやSINSKEさんのオリジナルのえんそうがありました。
その中から、わたしの印象に残った曲を紹介します。

まずは「タンゴの歴史」より
Bordel 1900
Café 1930
Night Club 1960 です。

この曲は、「タンゴ」というおどりの60年の楽しみ方を表した曲です。タンゴは昔は男の人がおどるおどりでしたが、だんだん曲を楽しむようになりました。

Bordel 1900は、ジャズっぽい感じがしました。
えんそう者の藤原さんとSINSKEさんが楽しそうにひいていたので、こちらも楽しくなりました。
たまにSINSKEさんがマレット同士をたたいて「カチカチ」と音を鳴らしていたので、「こんな技もあるんだなぁ」と思いました。

Café 1930は、一変しておしゃれなふんいきを感じました。
また、尺八の音と音のつなぎ目がなめらかできれいだなと思いました。
マリンバもとてもきれいで、音を出す時に「ふわっ」と力をぬいていることがわかりました。

Night Club 1960は、メリハリがあって、ゆっくりな所も速い所もありました。
最初はゆっくりで、音色がきれいでした。尺八が「ララ~ン」と歌う所が何度も出てきました。
次は急に速くなり、尺八が「タッタッタ タッタッタ」というリズムをたんとうしていました。
最後は「ジャン!」と元気に終わったのでもり上がりました。

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次は「東風(こち)」という藤原さんの曲です。
この曲を一言でいうと、「迫力満点」です。
すごかったので、おもわず手が止まってしまいメモもあまり書けなかったほどです。足を「ドンドン」とドラムのようにしていたので、迫力が出てもり上がっていました。尺八で「ピー!」とやるところもかっこよかったです。 またききたいなと思いました。

楽器しょうかい

●尺八
尺八は、自分が知っているそう法よりもたくさんのそう法があると思います。
使う体の部分は口と指だけではないのです。
主な材料...竹
形は単じゅんで竹のつつに穴をあけたかんじです。

穴を開け閉めするだけでは5つの音しかでませんが、穴を少しだけ開けたり、首をたてにふったり、足で下の穴をふさいだり、音を変える方法はたくさんあります。

26-2.jpg

尺八をくわえたじょうたいで首をたてにふると音の高さがかわるのですが、横にふるとビブラートをかけることができます。

ふく習クイズ
① 穴を開け閉めするだけでは音はいくつしか出ない?
② 尺八をくわえたじょうたいで首をたてにふるとどうなる?
答えはこのページにかくれています!

26-5.jpg

●マリンバ
強くたたくとかん単にわれてしまいます。
マレット→ピンクや白など色は様々
長さ...2.7m(SINSKEさんのマリンバの場合)
重さ...約100kg
マリンバはローズウッドという木からできていて、ローズウッドはギターや家具などにもよく使われます。

マレットは、1つの種類だけでなく色々な種類があります。
マレットによって固さがちがい、やわらかい音色や深い音色などその時によって持ちかえます。

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ふく習クイズ
① マリンバは何という木からできている?
② SINSKEさんのマリンバは何mある?

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楽器についてくわしくなれましたか?

感想
わたしは、尺八やマリンバにはあまりなじみがなく、生でえんそうをきいたのが今回で初めてでした。そのため、とても新せんでコンサートにむ中になりました。
尺八とマリンバという、和楽器と洋楽器のユニークな組み合わせで最初は想像がつかなかったのですが、きいてみると尺八のすき通った音色とマリンバの深みのある音色のハーモニーがとてもきれいで、すばらしい組み合わせだなと思いました。

26-4.jpg

ふじ原さんとSINSKEさんはクラシック音楽のへん曲やオリジナル曲の作曲もしていて、とてもきれいだったりユニークだったりと色々なタイプの曲が楽しめました。
ぜひ、このレポートを読んでくれた方にも
ふじ原道山さんやSINSKEさん、それぞれの楽器のことをよく知ってほしいし、尺八やマリンバの音色を生できいてほしいです。

ありがとうございました。


(公演写真:藤本史昭)

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B4用紙6枚のイラスト付きレポートを
書いてきてくれた中村さん。
楽器の説明も丁寧にわかりやすく描いて
興味を持ってくれてうれしいです。

スタッフによるレビューはこちらから

 
友の会イベントレポート
ショパンが生きていた時代の楽器で聴く 名曲レクチャーコンサート
23. 02. 21

今回の友の会「こがねいメンバーズ」会員限定イベントは、開館10周年記念の『ピアノ・フェスティバル』の特別企画として、小川加恵さんによるフォルテピアノのレクチャーコンサートを開催しました。

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まずはレクチャーから。
ピアノの歴史は、今からおよそ300年前のイタリア、1700年頃にクリストフォリによって作られた「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(弱音も出せるチェンバロ)」から始まると言われています。
18世紀後半になると、ピアノ製作の中心はウィーンに移り、モーツァルトやベートーヴェンもこのようなフォルテピアノを使って作曲したということで、小川さんの愛器、1835年製のフォルテピアノ「アントン・シュヴァルトリンク」で、モーツァルトやベートーヴェンの小品を数曲披露。モダンピアノよりも軽快なその響きは、スケールや細かいパッセージがコロコロと軽やかで、サロンコンサートのような優雅な雰囲気に包まれました。

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フォルテピアノは音の減衰が早いということを示す実験も。
ベートーヴェンの「月光ソナタ」は、もともとは「ペダルは最後まで踏みっぱなし」の指示が楽譜に記されていたといいます。モダンピアノではペダルは踏みかえながら弾くのが当たり前なこの曲を、当時の楽器で、当時の指示通りペダルを踏みっぱなしで弾いた演奏は、非常に貴重な音体験となりました。

続くレクチャーは、お持ち込みいただいた「アントン・シュヴァルトリンク」について。
1835年、プラハ(旧オーストリア帝国)生まれのこの楽器は、ボディは木目のきれいなウォールナット、白鍵には真珠層を持つ貝が貼られ、黒鍵は金箔の上にべっ甲がかぶせられており、職人のこだわりが随所に感じられる工芸品のような美しさ。
シューベルトの「即興曲 第3番」の演奏を楽しんだあとの休憩時や終演時には、お客様も興味津々でその美しさに見とれていました。

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後半は、まさにこの楽器が生まれた頃に作曲された名曲、ショパンの「ノクターン」「幻想即興曲」から。フォルテピアノは音域ごとに異なる音色を持つのも特徴のひとつ。低音域は優雅でかすかにうなるような音色、中音域は丸く柔らかな印象、高音域ではきらめくような音色という説明を受けてから、それぞれの音域の音色を噛みしめるように楽しみました。

クララ・シューマンの「ノットゥルノ」の演奏に続いては、質疑応答を。
モダンピアノとの弾き心地の違いについての質問や、音量についての質問などが飛び交い、小川さんはこの楽器との出会いや魅了されたポイント、ご自身の小柄な体格との相性など、演奏者ならではの熱い想いを語ってくださり、最後はロベルト・シューマンの「謝肉祭」からの演奏で終演となりました。

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外は雪。凍えるような寒さの日でしたが、温もりのある音色で束の間のタイムスリップを堪能したひとときとなりました。
来年度の友の会イベントもどうぞお楽しみに。

 
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.25】
こがねい落語特選 新春 達士鳴動の会
23. 02. 07

今年度も当館では、市内の小中学生が鑑賞レポートを書いて発信する「こがねいジュニア特派員」企画を継続!
ぜひご覧ください。(原文のまま、書き起こしています。)

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小金井市立小金井第二中学校 1年 池尻淳史

 今回は二回目となる落語の公演「新春達士鳴動の会」を見せていただいた。 
 一回目に見せていただいたのは若手の落語家さんの公演だった。今回の公演は落語界のベテランの方であり、たくさん笑わせてくださるのかなと期待していた。
 しかし、実際に今回の公演を聞き、その内容は理解が難しいものばかりであった。また、私は初めて浪曲を知った。「男はつらいよ」の話だったが、寅さんも柴又も何一つ知らなかったので、会場の笑いについていけなかった。私は阿波おどりを踊っているので三味線といえば阿波おどりのぞめきのイメージしかなかった。三味線が話を盛り上げることに驚いた。

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 落語というのは一人で何人もの人を演じ分け、聞き手の想像力によって話を理解し、その映像を思い浮かべ、時に笑い時に考えさせられるものである。なぜ落語家さんは人を引き付けることができるのだろうか? 
 それは話し方である。落語家最大の武器だ。
 今回のトリは五街道雲助さんで「幾代餅」という話だった。
 私は初めて聞く話だった。雲助さんの話し方は聞きての想像力を存分に発揮させた。例えば、雲助さんがただ上を向いて「三月、三月」というセリフを言っていたのだが、私にはせいぞうの頭に血が昇ったような表情を思い浮かべられた。他にも、「餅を忘れてきちまった」というセリフにはどれだけ幾代太夫が美人だったのかを聞き手に感じさせるセリフである。

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 このように聞き手の想像力をかき立てるようなセリフの表現が豊かで、声色に強弱があることによって、聞き手は落語に、のめりこむのである。達士鳴動の会の方々の落語はどれも続きが聞きたくなるような話し方で飽きないように会場の雰囲気を考えたり時代の流行を交えたりしていた。

25_3.JPG

 私は学校で夏休みのレポートをクラスの代表として発表する機会をいただいたのだが、クラスの中で発表した時よりも上手く発表できなかった。一方的に話してしまって早口になってしまい、間を作れなかった。見られていることを強く意識して緊張してしまったからだ。
 人に聞いてもらうには人を引き付けなくてはならない。今回、相手を引き付けるための表現や声色の強弱などを学んだが、それができるには緊張しないことが大前提だ。
 落語家の方はなぜ緊張をしないのか、それは話に入る前の枕話の話術だ。落語家は枕話を使い、自分の話しやすい世界を作るのだ。
 これからも発表することがあると思うが、今回のジュニア特派員を経験して発見できたことを生かしていきたいと思う。

(写真:横田敦史)

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池尻くんは自分が感じた色々な気持ちを分かりやすく書いてくれました。
話し方にも発見があったとのことで
学校での発表の場でも生かせるといいですね。

スタッフによるレビューはこちらから

 
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.24】
こがねい落語特選 新春 達士鳴動の会
23. 02. 07

今年度も当館では、市内の小中学生が鑑賞レポートを書いて発信する「こがねいジュニア特派員」企画を継続!
ぜひご覧ください。(原文のまま、書き起こしています。)

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小金井市立緑小学校 3年 西村里音

 1月21日に小金井宮地楽器ホール大ホールに落語・ろう曲を聞きに行きました。始めに、係りの人に案ないをしてもらって舞台うらから舞台に行きました。そこでわたしの目にとまったのが、『めくり』です。めくりには文字ができるだけ太く書かれています。なぜかと言うと、まず、紙を会場に見たてます。そして文字をお客さんにすると、会場にたくさんのお客さんが来ていることになります。でも、細いと少なくなるのでできるだけ太く字を書いています。

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 自分のせきにつくとビックリしました。なぜなら目の前のまくに小金井市の地図が描いてあったからです。落語がはじまる前に自分の家のある場所らへんを見つけられたので何だかうれしい気持ちになりました。

 落語が始まって空気がなごんできました。おもわず笑ってしまうような話を聞いているといつのまにかつかれがとれていました。他のお客さんもそうだと思います。

24_2.JPG24_3.JPG

 みんなで笑ったりはく手したりして楽しむのはいいなぁ~と思いました。それと、落語やろう曲を聞いていると心にきれいなお花畑ができていくように、あたたかなフワフワしているような気もちになりました。

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 とても楽しかったのでまた、落語やろう曲を見に行きたいです。

(写真:横田敦史)

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西村さんは開演前に見た舞台や緞帳幕や
公演のこと全てに興味を持って見てくれました。
またぜひホールに遊びにきてくださいね。

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