友の会「こがねいメンバーズ」では、年に数回、会員限定イベントを開催しています。
今回は、小金井市に拠点を構え、「国記録選択無形民俗文化財」「東京都無形文化財」に指定されている、江戸糸あやつり人形劇団「結城座」さんによる、レクチャーとミニ公演をお届けしました。

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まずは、人形遣いの結城育子さんより、結城座の成り立ちや歴史についてのお話。
結城座は、江戸時代の寛永12年(1635年)に初代結城孫三郎が江戸の葺屋町に旗揚げして以来、現在の十二代目まで、なんと385年もの歴史があるそうです。
近年では、「伝統と革新、古典と新作の両輪」を活動方針に掲げ、海外を巡演したり、国際演劇祭に招かれて共同制作をしたりなど、活動の内容もエリアもぐんぐん広がっています。

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次に、人形の仕組みについてもわかりやすく解説。 
手板(ていた)という板から、ピンと張って人形を吊っている「ききいと」が両肩と頭に計3本、ゆるみがあって人形を動かすための「あそびいと」が10数本あり、遣い手は手板を左手で持って一部の糸の操作をしながら、それ以外の糸は右手で操作します。糸の数は1本~40本まで、人形のサイズは5センチ~2メートルまで、演目によってさまざまなものがあるそうです。
日本の糸あやつり人形が独特なのは、首を左右に振る動きと、あごを前に出す動きができること、とのこと。心の機微を大切にし、より細やかな表現を追求してきた先代たちによる日本人ならではの工夫といえます。
着物を脱がせた胴も見せていただきましたが、竹、桐、たこ糸、ゴムの組み合わせでできた、意外にも簡素なつくり。ここから衣装をまとわせ、頭と糸をつけ、遣い手が息を吹き込むことによって、まるで生きているかのような人形の動きが生まれるのは驚きです。

続いて、2つの演目を披露いただきました。

IMG_6889.JPGIMG_6894.JPGIMG_6888.JPG

IMG_6899.JPGIMG_6903.JPG

まずは、坊主と幽霊・・・そしてガイコツ!のコミカルなやりとりが楽しい『千人塚』。
人形遣い自らがセリフを発するというスタイルの始まりとなった、9代目結城孫三郎が作り上げた演目だそうです。
客席からは、ときおり笑いが起き、ガイコツがバラバラになったところでは「お~!」と驚きの声もあがりました。

IMG_6912.JPGIMG_6909.JPGIMG_6914.JPG

次は、新春にふさわしく、縁起のいい『寿獅子』。 ひとりで、どうしたらこんな複雑で躍動感あふれる動きを作れるのか不思議で、一瞬も目を離せない演目でした。

質疑応答を挟んで、最後は体験コーナー。

IMG_6921.JPGIMG_6926.JPGIMG_6923.JPG

舞台にあがって、人形の写真を撮ったり、手板の持ち方を教えてもらって動かしてみたり。
人形の足を浮かせず、たるませず、普通に地面に立っているように持つだけでも難しく、「指がつりそう!」「これで長時間の演目をやるなんて本当に大変・・・」など伝統芸能の奥深さの一端を体感いただけたようです。

今後の友の会「こがねいメンバーズ」会員限定イベントも、どうぞお楽しみに。

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[出演]結城座
結城育子、結城数馬、岡 泉名、湯本アキ

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〒184-0004
東京都小金井市本町6-14-45
TEL: 042-380-8077
FAX: 042-380-8078

開館時間: 9:00 ~ 22:00
受付時間: 9:00 ~ 19:00
休館日: 毎月第2火曜日および第3火曜日(祝日の場合はその直後の平日) / 年末年始 / 保守点検日
【友の会イベントレポート】
江戸糸あやつり人形に迫る! 人形と遣い手が織り成す不思議な魅力
20. 01. 11

友の会「こがねいメンバーズ」では、年に数回、会員限定イベントを開催しています。
今回は、小金井市に拠点を構え、「国記録選択無形民俗文化財」「東京都無形文化財」に指定されている、江戸糸あやつり人形劇団「結城座」さんによる、レクチャーとミニ公演をお届けしました。

IMG_6861.JPG

まずは、人形遣いの結城育子さんより、結城座の成り立ちや歴史についてのお話。
結城座は、江戸時代の寛永12年(1635年)に初代結城孫三郎が江戸の葺屋町に旗揚げして以来、現在の十二代目まで、なんと385年もの歴史があるそうです。
近年では、「伝統と革新、古典と新作の両輪」を活動方針に掲げ、海外を巡演したり、国際演劇祭に招かれて共同制作をしたりなど、活動の内容もエリアもぐんぐん広がっています。

IMG_6876.JPGIMG_6879.JPG

次に、人形の仕組みについてもわかりやすく解説。 
手板(ていた)という板から、ピンと張って人形を吊っている「ききいと」が両肩と頭に計3本、ゆるみがあって人形を動かすための「あそびいと」が10数本あり、遣い手は手板を左手で持って一部の糸の操作をしながら、それ以外の糸は右手で操作します。糸の数は1本~40本まで、人形のサイズは5センチ~2メートルまで、演目によってさまざまなものがあるそうです。
日本の糸あやつり人形が独特なのは、首を左右に振る動きと、あごを前に出す動きができること、とのこと。心の機微を大切にし、より細やかな表現を追求してきた先代たちによる日本人ならではの工夫といえます。
着物を脱がせた胴も見せていただきましたが、竹、桐、たこ糸、ゴムの組み合わせでできた、意外にも簡素なつくり。ここから衣装をまとわせ、頭と糸をつけ、遣い手が息を吹き込むことによって、まるで生きているかのような人形の動きが生まれるのは驚きです。

続いて、2つの演目を披露いただきました。

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まずは、坊主と幽霊・・・そしてガイコツ!のコミカルなやりとりが楽しい『千人塚』。
人形遣い自らがセリフを発するというスタイルの始まりとなった、9代目結城孫三郎が作り上げた演目だそうです。
客席からは、ときおり笑いが起き、ガイコツがバラバラになったところでは「お~!」と驚きの声もあがりました。

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次は、新春にふさわしく、縁起のいい『寿獅子』。 ひとりで、どうしたらこんな複雑で躍動感あふれる動きを作れるのか不思議で、一瞬も目を離せない演目でした。

質疑応答を挟んで、最後は体験コーナー。

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舞台にあがって、人形の写真を撮ったり、手板の持ち方を教えてもらって動かしてみたり。
人形の足を浮かせず、たるませず、普通に地面に立っているように持つだけでも難しく、「指がつりそう!」「これで長時間の演目をやるなんて本当に大変・・・」など伝統芸能の奥深さの一端を体感いただけたようです。

今後の友の会「こがねいメンバーズ」会員限定イベントも、どうぞお楽しみに。

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[出演]結城座
結城育子、結城数馬、岡 泉名、湯本アキ