今回の友の会会員限定イベントは、「コンサートを支える仕事人」シリーズの第3弾。「調律師」「コレペティトール」に続き、「ステージマネージャー(通称:ステマネ)」の仕事に迫るトークセッションを開催しました。

出演は、国内外のオーケストラに帯同し、当館の「こがねいガラ・コンサート」にも長年携わっていただいている、ステージマネージャー根本孝史さんと、聞き手のクラシック音楽ファシリテーター飯田有抄さん。

自己紹介のあとは、「本日の客席、何か気がつきましたか?」という問いかけから。
実は、指揮台を中心に、オーケストラの並びに客席を配置し、お客様に奏者の気分を味わっていただく仕掛けだったのです。

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会場が和んだところで、第1章「ステージマネージャーとは?」
根本さんによると、「演奏会がスムーズに進むようにセッティングをしたり、合図を出したりする進行役」とのこと。その事前準備として作成するタイムテーブルや図面、セッティング風景の動画を投影しながら、具体的な仕事内容を説明。様々な方向からのリクエストに対して、調整・判断していく仕事であるため、「バランス感覚が大切!」だそう。

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第2章は「日本と海外との違い」
日本の舞台は、建築を由来とした尺貫法が用いられており、例えば、ステージに段差を設けるときに使う平台のサイズも「さぶろく」(=「3尺×6尺」)などと呼びます。「蹴込」「つかみ」「箱馬」「開き足」などの部品や、「千鳥」「相掛け」などのテクニックについて、実物を提示しながら丁寧にレクチャー。
日本と似ている作りの多いアジアの舞台や、歴史があって出入口が狭い建物が多いヨーロッパの舞台については、写真を映しながら、それぞれの特長や施されている工夫、苦労したエピソードなどを披露。貴重な写真の数々に、驚きと感心の声が上がっていました。

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ひな壇を見学しつつの休憩後は、第3章「コロナ禍でのステマネ」
生演奏こそが必須で至上であったクラシック界においても、コロナ禍で「配信」というジャンルが生まれ、ステマネにとっても撮影や配信を意識したセッティングや、ディスタンスをとったセッティングなど、新たな課題に試行錯誤したそう。みなさまも、配信ならではのメリットと、生演奏が再開したときの感動、両面を味わった数年になっているのではないでしょうか。

第4章は「こがねいガラ・コンサート」
当館の主催公演として、2012年から続く「こがねいガラ・コンサート」ですが、根本さんは2014年から携わっています。こがねいガラ・オーケストラの企画・指揮を務める茂木大輔さんとのNHK交響楽団時代からのエピソードを交えて、次回のコンサートが楽しみになるちょっとした裏話を披露していただきました。

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そして最後は質疑応答。
オーケストラの弦楽器が2人1組である意味や、イスの選択や楽器配置の決定権は誰にあるのか、といったオーケストラのシステムに関する諸質問のあとに、「ステマネとして喜びを感じるのはどんな時ですか」という質問が。「やっぱり演奏が終わったときのお客様の拍手です」とのこと。その拍手は演奏者に向けられたものだけど、その最高の響きを創り出すことに寄与する仕事なので、やっぱり演奏後の拍手は嬉しいとのことでした。
次のコンサートからは、より意味の深い、心のこもった拍手ができそうです。

根本さんと飯田さんの、自然体でテンポのよいトークセッションで、「コンサートを支える仕事人」のはたらきを楽しく学んだひとときでした。

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ご来場いただいたみなさま、レポートをご覧いただいたみなさま、ありがとうございました。

今後の友の会会員限定イベントもお楽しみに!
【友の会の詳細はコチラから】

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〒184-0004
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TEL: 042-380-8077
FAX: 042-380-8078

開館時間: 9:00 ~ 22:00
受付時間: 9:00 ~ 19:00
休館日: 毎月第2火曜日および第3火曜日(祝日の場合はその直後の平日) / 年末年始 / 保守点検日
友の会イベントレポート
コンサートを支える仕事人~ステージマネージャー編~
23. 09. 13

今回の友の会会員限定イベントは、「コンサートを支える仕事人」シリーズの第3弾。「調律師」「コレペティトール」に続き、「ステージマネージャー(通称:ステマネ)」の仕事に迫るトークセッションを開催しました。

出演は、国内外のオーケストラに帯同し、当館の「こがねいガラ・コンサート」にも長年携わっていただいている、ステージマネージャー根本孝史さんと、聞き手のクラシック音楽ファシリテーター飯田有抄さん。

自己紹介のあとは、「本日の客席、何か気がつきましたか?」という問いかけから。
実は、指揮台を中心に、オーケストラの並びに客席を配置し、お客様に奏者の気分を味わっていただく仕掛けだったのです。

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会場が和んだところで、第1章「ステージマネージャーとは?」
根本さんによると、「演奏会がスムーズに進むようにセッティングをしたり、合図を出したりする進行役」とのこと。その事前準備として作成するタイムテーブルや図面、セッティング風景の動画を投影しながら、具体的な仕事内容を説明。様々な方向からのリクエストに対して、調整・判断していく仕事であるため、「バランス感覚が大切!」だそう。

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第2章は「日本と海外との違い」
日本の舞台は、建築を由来とした尺貫法が用いられており、例えば、ステージに段差を設けるときに使う平台のサイズも「さぶろく」(=「3尺×6尺」)などと呼びます。「蹴込」「つかみ」「箱馬」「開き足」などの部品や、「千鳥」「相掛け」などのテクニックについて、実物を提示しながら丁寧にレクチャー。
日本と似ている作りの多いアジアの舞台や、歴史があって出入口が狭い建物が多いヨーロッパの舞台については、写真を映しながら、それぞれの特長や施されている工夫、苦労したエピソードなどを披露。貴重な写真の数々に、驚きと感心の声が上がっていました。

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ひな壇を見学しつつの休憩後は、第3章「コロナ禍でのステマネ」
生演奏こそが必須で至上であったクラシック界においても、コロナ禍で「配信」というジャンルが生まれ、ステマネにとっても撮影や配信を意識したセッティングや、ディスタンスをとったセッティングなど、新たな課題に試行錯誤したそう。みなさまも、配信ならではのメリットと、生演奏が再開したときの感動、両面を味わった数年になっているのではないでしょうか。

第4章は「こがねいガラ・コンサート」
当館の主催公演として、2012年から続く「こがねいガラ・コンサート」ですが、根本さんは2014年から携わっています。こがねいガラ・オーケストラの企画・指揮を務める茂木大輔さんとのNHK交響楽団時代からのエピソードを交えて、次回のコンサートが楽しみになるちょっとした裏話を披露していただきました。

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そして最後は質疑応答。
オーケストラの弦楽器が2人1組である意味や、イスの選択や楽器配置の決定権は誰にあるのか、といったオーケストラのシステムに関する諸質問のあとに、「ステマネとして喜びを感じるのはどんな時ですか」という質問が。「やっぱり演奏が終わったときのお客様の拍手です」とのこと。その拍手は演奏者に向けられたものだけど、その最高の響きを創り出すことに寄与する仕事なので、やっぱり演奏後の拍手は嬉しいとのことでした。
次のコンサートからは、より意味の深い、心のこもった拍手ができそうです。

根本さんと飯田さんの、自然体でテンポのよいトークセッションで、「コンサートを支える仕事人」のはたらきを楽しく学んだひとときでした。

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ご来場いただいたみなさま、レポートをご覧いただいたみなさま、ありがとうございました。

今後の友の会会員限定イベントもお楽しみに!
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