JR中央線「武蔵小金井駅」南口駅前にある文化施設です。578席の大ホールをはじめ、小ホール、市民ギャラリー、4つの練習室、和室、マルチパーパススペースがあります。
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〒184-0004
東京都小金井市本町6-14-45 TEL: 042-380-8077 FAX: 042-380-8078 開館時間: 9:00 ~ 22:00 受付時間: 9:00 ~ 20:00 休館日: 毎月第2火曜日および第3火曜日(祝日の場合はその直後の平日) / 年末年始 |
友の会イベントレポート 朗読×解説で愉しむ! 没後100年 森鷗外の世界 |
22. 11. 13 |
今回は、友の会イベントとして初めて「文学」「朗読」をテーマに開催しました。
最初の朗読は『高瀬舟』。
舞台は京都の罪人を遠島に送るために高瀬川を下る舟。その舟に乗せられてきた罪人・喜助の晴れやかな顔を見て、護送役の同心、庄兵衛は彼を不審に思い、訳を尋ねるところから物語は始まります。
地元の俳優・朗読家、長谷川葉月さんの抑揚をおさえた「静」の朗読が、情景や心情を描き出し、文学そのものの味わいを感じさせました。
続く文京区立森鷗外記念館の倉本幸弘さんによる熱意溢れる「動」の解説では客席を沸かせました。
鷗外は、「高瀬舟縁起」の中で自らその主題について「知足(満足することを知る)」と「ユウタナジイ(安楽死)」だと解説していることを紹介。しかし倉本さん曰く「作家自らが解説していることを鵜呑みにするのではなく、だからこそ他の主題が隠されているのではないかと読むと面白い」とのこと。
後半は再び『電車の窓』という知られざる小品を朗読しました。
舞台は冬の夕暮れの市電。「僕」は乗り合わせた美しい女性を観察し、「こう思っているんじゃないか」と想像をふくらませていきます。
長谷川さんの淡々と読み上げる男性の心の声が、一緒に女性を観察しているかのように感じられました。
続く倉本さんの解説は、昔の駅の絵や、路面電車の路面図をスクリーンに映しながら、「電車の登場によってこれまで出会うことがなかった、住むエリアや職業・身分の異なる人と人が出会うようになったことで、このような作品も生まれた」という社会的背景をレクチャーいただきました。
最後の対談では、鷗外作品の特徴や朗読というものについてなど、お互いへの興味が尽きないトークが展開され、お客様からの質問にもお答えいただき、温かい雰囲気で終演となりました。
お客様からは、「淡々とした朗読がかえってドラマチックな景色を浮かび上がらせてくるようで感動した」「鷗外の読み方を教えていただき、またあらためて読んでみたいと思った」などのお声をいただきました。
また、今回は小金井市立図書館の協力で、鷗外関連本をお貸し出しいただき、開場時間や休憩時間にご覧いただきました。
ご来場いただきましたみなさま、レポートをお読みいただきましたみなさま、ありがとうございました。
今後の友の会「こがねいメンバーズ」会員イベントもお楽しみに!