今回の友の会イベントは「オーボエに魅せられて」と題し、小金井市在住で、東京フィルハーモニー交響楽団オーボエ奏者である杉本真木さんが、同じく小金井市在住のピアニスト・出羽真理さんとともに、演奏とトークをお届けしました。

まずはサン=サーンスの「オーボエ・ソナタ 第1楽章」から。開幕を告げるチャイムのようなメロディーから始まり、オーボエの上品で端正な音色が響きました。

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続いてオーボエやイングリッシュホルンの歴史や特性を、クイズや映像を交えながら紹介。何でも簡単に「検索」できる現代ですが、奏者ならではの豆知識や経験を元にしたトークは聞きごたえがありました。
とりわけ、「楽器持ち替えの苦労」では、オーケストラにおいて2ndオーボエは〝いかに溶け込むか″に注力するパートであるのに、イングリッシュホルンに持ち替えたとたん〝メロディーとして主張すること″を求められることが難しいという話が印象的でした。

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次に、牧歌的な場面や不吉な死を予感させる場面で使われることから、通称「死神楽器」とも呼ばれているイングリッシュホルンの魅力を存分に感じられる、シベリウスの「トゥオネラの白鳥」を演奏。やわらかい音色でありながら、緊迫感のある引きずりこまれるような長い長いフレーズをピアノの不穏な和音とともに紡ぎました。そして、サン=サーンスの「オーボエ・ソナタ 第2・3楽章」で前半が終了。

後半はピアソラの「オブリヴィオン(忘却)」からスタート。バンドネオン、ギターなどでも演奏される曲ですが、オーボエ版も哀愁ただよう感じがとてもステキでした。

後半のトークは「3日に1回は本番があるという東京フィルでの活動」や「休日の過ごし方」「本番前の過ごし方」など、演奏家の日常がわかる、ここでしか聞けない話のオンパレード。オーボエ奏者に欠かせないリード作りについては、映像も交えて説明。良いリードを数多く作ろうとするとキリがないから、家族と一緒の時間は作業をしないというマイルールを決めているとか、子どもが小さいときは特に危険な作業であるため、リードに負担をかけずに長持ちする吹き方を身に着けたなどの「お母さん奏者あるある」まで披露。華やかなステージに立つ演奏家を身近に感じるエピソードが印象的でした。

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演奏は、ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」から1拍の休符もないというハードなイングリッシュホルンのバンダ(オーケストラとは別の場所で吹く)ソロと、対照的にピアノとの掛け合いも楽しい、軽快で華麗なシュトラウスⅡ世のオペレッタ「こうもり〈変装〉曲」をお届け。

演奏もトークも盛りだくさんな内容で、楽器と演奏家の魅力が凝縮した充実の時間でした。

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[出演](写真左から) 
・出羽真理(ピアノ) 
・杉本真木(オーボエ、イングリッシュホルン)

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友の会イベントレポート
オーボエに魅せられて
22. 02. 17

今回の友の会イベントは「オーボエに魅せられて」と題し、小金井市在住で、東京フィルハーモニー交響楽団オーボエ奏者である杉本真木さんが、同じく小金井市在住のピアニスト・出羽真理さんとともに、演奏とトークをお届けしました。

まずはサン=サーンスの「オーボエ・ソナタ 第1楽章」から。開幕を告げるチャイムのようなメロディーから始まり、オーボエの上品で端正な音色が響きました。

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続いてオーボエやイングリッシュホルンの歴史や特性を、クイズや映像を交えながら紹介。何でも簡単に「検索」できる現代ですが、奏者ならではの豆知識や経験を元にしたトークは聞きごたえがありました。
とりわけ、「楽器持ち替えの苦労」では、オーケストラにおいて2ndオーボエは〝いかに溶け込むか″に注力するパートであるのに、イングリッシュホルンに持ち替えたとたん〝メロディーとして主張すること″を求められることが難しいという話が印象的でした。

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次に、牧歌的な場面や不吉な死を予感させる場面で使われることから、通称「死神楽器」とも呼ばれているイングリッシュホルンの魅力を存分に感じられる、シベリウスの「トゥオネラの白鳥」を演奏。やわらかい音色でありながら、緊迫感のある引きずりこまれるような長い長いフレーズをピアノの不穏な和音とともに紡ぎました。そして、サン=サーンスの「オーボエ・ソナタ 第2・3楽章」で前半が終了。

後半はピアソラの「オブリヴィオン(忘却)」からスタート。バンドネオン、ギターなどでも演奏される曲ですが、オーボエ版も哀愁ただよう感じがとてもステキでした。

後半のトークは「3日に1回は本番があるという東京フィルでの活動」や「休日の過ごし方」「本番前の過ごし方」など、演奏家の日常がわかる、ここでしか聞けない話のオンパレード。オーボエ奏者に欠かせないリード作りについては、映像も交えて説明。良いリードを数多く作ろうとするとキリがないから、家族と一緒の時間は作業をしないというマイルールを決めているとか、子どもが小さいときは特に危険な作業であるため、リードに負担をかけずに長持ちする吹き方を身に着けたなどの「お母さん奏者あるある」まで披露。華やかなステージに立つ演奏家を身近に感じるエピソードが印象的でした。

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演奏は、ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」から1拍の休符もないというハードなイングリッシュホルンのバンダ(オーケストラとは別の場所で吹く)ソロと、対照的にピアノとの掛け合いも楽しい、軽快で華麗なシュトラウスⅡ世のオペレッタ「こうもり〈変装〉曲」をお届け。

演奏もトークも盛りだくさんな内容で、楽器と演奏家の魅力が凝縮した充実の時間でした。

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[出演](写真左から) 
・出羽真理(ピアノ) 
・杉本真木(オーボエ、イングリッシュホルン)