2021年度最初の友の会「こがねいメンバーズ」会員限定イベントを開催しました。
江戸時代から伝わる大衆芸能を味わいつつ、時代考証のプロが解説する人気企画の第3弾。
今回は、「太神楽×時代考証」をお届けしました。


まずは、2021年3月に「令和2年度 国立演芸場『花形演芸大賞』銀賞」を受賞された、演芸界のホープ 鏡味仙成(かがみ せんなり)さんが登場。太神楽のルーツは日本神話の「天の岩戸開き」であり、神事で舞う獅子舞から派生したことや、江戸時代の太神楽師は実はスパイだった!?など興味深いお話で参加者を惹きつけました。

お次は太神楽のパフォーマンスです。手始めはバランス芸。額に和傘を乗せ、決めポーズ。

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その後、毬や金輪、角枡などを和傘の上で回していきます。
中でも盛り上がったのは、湯呑茶碗! 瀬戸物なので、落とすと割れてしまいます。

〈漆を塗った傘×湯呑茶碗〉という滑る組み合わせ...。会場は緊張感に包まれます。さあどうなる!?

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湯呑茶碗の回るスピードに合わせて、会場の拍手とどよめきも大きくなっていきます。
ピタッと綺麗に止めて見せた仙成さんが一言。「ちゃ(わ)んとできました」。

そこから、顎の上にバチや茶碗を次々に積み上げていく立てもの芸「五階茶碗」を披露しました。

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おめでたい華麗な芸の連続で、会場は華やかな空気に包まれました。

続いては、東京学芸大学名誉教授/時代考証学会会長である大石学先生のご登壇。
最初に時代考証の観点から、辞典や江戸時代の人々の川柳を用いて「太神楽とは」を説明しました。

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また、「江戸時代における多摩地域の民間芸能と太神楽」と題し、多摩地域の古い資料に残された当時の娯楽にまつわる記述を紹介。
そこには、太神楽や義太夫などの芸能、相撲や花火などの娯楽を年中行事に取り入れて楽しんでいた庶民たちと、年貢の減少や風紀の乱れを恐れ、娯楽を厳しく規制しようとした江戸幕府との関係性が記されており、大石先生の解説で、芸能が江戸の日常と共にあったことが生き生きと伝わってきました。

近代化が進むにつれて民間での芸能の継承が難しくなってきた今、江戸時代には取り締る側だった国が、逆に率先して文化芸術を守るために様々な施策を行っているというのも興味深い話でした。


そして、後半で仙成さんが再登場。難易度の高い、毬やバチの投げもの芸を披露。
大石先生のお話の後に見ると、一段と深い味わいを感じられました。

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最後は、お二人の対談&質問コーナー。
太神楽の世界に入ったきっかけや、伝統芸能の継承についてお互いの興味が尽きることなく話が弾みました。仙成さんの素晴らしさを熱心に紹介する大石先生に対し、謙遜する仙成さん。
参加者からは温かいエールや、普段は聞けない趣味についての質問等も飛び出し、終始楽しく優しい雰囲気の対談になりました。

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仙成さんは「今日この舞台が出来てよかった。若者がゆえに周囲の期待が大きく、プレッシャーもあるが、とにかく楽しくやっていきたい。」とコメントされていたのが印象的でした。

今後の友の会「こがねいメンバーズ」会員限定イベントも、どうぞお楽しみに!

[出演]
・大石 学(時代考証学会会長) 
・鏡味仙成(太神楽)

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開館時間: 9:00 ~ 22:00
受付時間: 9:00 ~ 19:00
休館日: 毎月第2火曜日および第3火曜日(祝日の場合はその直後の平日) / 年末年始 / 保守点検日
友の会イベントレポート
知って楽しむ伝統芸能~太神楽×時代考証~
21. 06. 10

2021年度最初の友の会「こがねいメンバーズ」会員限定イベントを開催しました。
江戸時代から伝わる大衆芸能を味わいつつ、時代考証のプロが解説する人気企画の第3弾。
今回は、「太神楽×時代考証」をお届けしました。


まずは、2021年3月に「令和2年度 国立演芸場『花形演芸大賞』銀賞」を受賞された、演芸界のホープ 鏡味仙成(かがみ せんなり)さんが登場。太神楽のルーツは日本神話の「天の岩戸開き」であり、神事で舞う獅子舞から派生したことや、江戸時代の太神楽師は実はスパイだった!?など興味深いお話で参加者を惹きつけました。

お次は太神楽のパフォーマンスです。手始めはバランス芸。額に和傘を乗せ、決めポーズ。

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その後、毬や金輪、角枡などを和傘の上で回していきます。
中でも盛り上がったのは、湯呑茶碗! 瀬戸物なので、落とすと割れてしまいます。

〈漆を塗った傘×湯呑茶碗〉という滑る組み合わせ...。会場は緊張感に包まれます。さあどうなる!?

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湯呑茶碗の回るスピードに合わせて、会場の拍手とどよめきも大きくなっていきます。
ピタッと綺麗に止めて見せた仙成さんが一言。「ちゃ(わ)んとできました」。

そこから、顎の上にバチや茶碗を次々に積み上げていく立てもの芸「五階茶碗」を披露しました。

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おめでたい華麗な芸の連続で、会場は華やかな空気に包まれました。

続いては、東京学芸大学名誉教授/時代考証学会会長である大石学先生のご登壇。
最初に時代考証の観点から、辞典や江戸時代の人々の川柳を用いて「太神楽とは」を説明しました。

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また、「江戸時代における多摩地域の民間芸能と太神楽」と題し、多摩地域の古い資料に残された当時の娯楽にまつわる記述を紹介。
そこには、太神楽や義太夫などの芸能、相撲や花火などの娯楽を年中行事に取り入れて楽しんでいた庶民たちと、年貢の減少や風紀の乱れを恐れ、娯楽を厳しく規制しようとした江戸幕府との関係性が記されており、大石先生の解説で、芸能が江戸の日常と共にあったことが生き生きと伝わってきました。

近代化が進むにつれて民間での芸能の継承が難しくなってきた今、江戸時代には取り締る側だった国が、逆に率先して文化芸術を守るために様々な施策を行っているというのも興味深い話でした。


そして、後半で仙成さんが再登場。難易度の高い、毬やバチの投げもの芸を披露。
大石先生のお話の後に見ると、一段と深い味わいを感じられました。

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最後は、お二人の対談&質問コーナー。
太神楽の世界に入ったきっかけや、伝統芸能の継承についてお互いの興味が尽きることなく話が弾みました。仙成さんの素晴らしさを熱心に紹介する大石先生に対し、謙遜する仙成さん。
参加者からは温かいエールや、普段は聞けない趣味についての質問等も飛び出し、終始楽しく優しい雰囲気の対談になりました。

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仙成さんは「今日この舞台が出来てよかった。若者がゆえに周囲の期待が大きく、プレッシャーもあるが、とにかく楽しくやっていきたい。」とコメントされていたのが印象的でした。

今後の友の会「こがねいメンバーズ」会員限定イベントも、どうぞお楽しみに!

[出演]
・大石 学(時代考証学会会長) 
・鏡味仙成(太神楽)