御年92歳!
日本のジャズの歴史とともに歩んで来られたクラリネット奏者、北村英治さんの公演を行いました。今年で、プロ生活70周年を迎えた北村さんは、まさに日本ジャズ界のレジェンドと称されるジャズマンのひとりです。
前半は、長年演奏を共にしてきた「スーパーカルテット」との息の合ったプレイを披露。安定したリズムでバンドの要となるベースの山口雄三さん、ブラシでの洗練されたソロで観客を魅了したドラムの八城邦義さん、華やかなピアノと優しいヴォーカルでバンドを見事に彩った高浜和英さん。「このメンバーが支えてくれるおかげで、長年演奏してこられた」と北村さんがしみじみと語った通り、ステージを観ていても演奏を通して4人が信頼し合っている様子を感じることができました。
後半は、北村さんのオリジナル曲「Close to the Azalea(さつきに寄せて)」からスタート。続いて、ヴォーカリストのキャロル山崎さんをゲストに迎えて、スタンダード・ナンバーを4曲披露し、さらに華やかなステージとなりました。中でも、「Tea for Two(ふたりでお茶を)」では、ピアノの高浜さんとのデュエットで会場を魅了していました。
アンコールの「buona sera」まで、全17曲。北村さんはステージ上で終始朗らかにメンバーを見守り、艶やかで伸びのあるクラリネットの音色は本当に若々しく、まったく年齢を感じさせることがありませんでした。
実はこの公演は、新型コロナウイルス感染症が流行り始めた2020年3月に予定されていて、やむなく中止になったもの。期待されていたお客様からの多くの声に応える形で、開催実現につながったものです。
北村さんもこの間、演奏活動を自粛されており、今回が再開後初のホール公演となったそうで、大変楽しそうにステージに立たれていたのが印象的でした。
やはり音楽、特に生演奏に触れられる機会は生活に潤いをもたらし、心に豊かさを与えてくれるものだということを、あらためて感じられた貴重な時間となりました。
ご来場くださいましたみなさま、北村さん、キャロルさん、バンドメンバーのみなさん、ありがとうございました。
なお、公演の様子は、ふたりの「こがねいジュニア特派員」がレポートしてくれています。こちらもぜひご覧ください!
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.7】
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.8】
<第1部>
1. ローズ・ルーム Rose Room
2. この素晴らしき世界 What a Wonderful World
3. 小さな花 Petite fleur
4. りんごの木の下で In the Shade of the Old Apple Tree
5. 枯葉 Autumn Leaves
6. キュート Cute
7. 恋人よ我に帰れ Lover Come Back To Me
<第2部>
1. さつきに寄せて Close To The Azalea
2. 素敵な貴女 Bei Min Bist Du Schuen
3. あなたと夜と音楽と You And The Night And The Music
4. スマイル Smile
5. ふたりでお茶を Tea For Two
6. レッツ・ダンス Let’s Dance
7. メモリーズ・オブ・ユー Memories of You
8. シング・シング・シング Sing Sing Sing
9. 世界は日の出を待っている The World is Waiting for the Sunrise
【アンコール】
ボナ・セラ buona sera