小金井 宮地楽器ホール

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【イベントレビュー】 「ミシェル・ダルベルト ピアノ・リサイタル」

北風強く、寒さが身に染みる1月26日。
フランスの至宝、ミシェル・ダルベルトによるピアノ・リサイタルを開催しました。プログラムは、前半が19世紀フランスを代表する作曲家フォーレによる5作品、後半が19世紀ドイツを代表する作曲家シューマンによる2作品。
いずれも「ポリフォニック(多声的)でそれが音楽をより複雑で魅力的なものにしている(インタビューより)」という作曲家で、ダルベルトさんが小金井のためだけに用意したスペシャルプログラムです。

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前半はフォーレの孫弟子にあたるダルベルトさんが、フォーレの名曲を年代順に辿ります。
まずはフォーレの「バラード 嬰ヘ長調」で幕開け。メロディーとメロディーが時に混沌と絡みあい、時に鮮明に対話しながら、ハーモニーもふくよかに展開していきます。ダルベルトさんの明瞭な解釈と粒立ちの良いタッチ、情熱あふれる演奏によって、一気に観客の心を掴みました。

次は、館内のモニターやホームページで流していた映像でも弾かれていた「即興曲 第3番 変イ長調」。朗らかで華やかなみずみずしい美しさが表現されました。

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「ノクターン 第6番 変ニ長調」「主題と変奏 嬰ハ短調」「ノクターン 第13番 ロ短調」と次々にフォーレの想いが描き出されていく様に、観客の集中力も増し、拍手も大きくなっていきました。

後半は、ポリフォニックという共通点がありつつも、ハーモニーの面では宗教音楽的な浮遊感が魅力のフォーレに対し、詩的で文学的な響きが魅力のシューマンをお届け。
まずは「色とりどりの小品」より第1曲から第5曲を披露し、音数が少ない小品たちの、それぞれの曲のかわいらしさ、ロマンティックさ、余韻を含んだ深い響きなどを表現していきました。

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そしていよいよ、演奏時間30分超えの大曲「幻想曲 ハ長調」。
シューマンが尊敬するベートーベンと、のちに妻となるクララに捧げる作品として20代の若さで書き上げた曲で、第1楽章の冒頭に「どこまでも幻想的に、情熱的に」と書かれているというほど、エネルギーに満ちた作品です。
その若きシューマンの情熱に応えるかのように、御年70歳を迎えるダルベルトさんが、ますます深まる音楽への熱量と鍛錬された技術をもってピアノに向い、音楽を目の前に立ち昇らせます。
最終音の長い余韻が消えると、満席に近い会場から万雷の拍手が沸き起こりました。中には涙を流されているお客様も。

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そして、鳴りやまない拍手に「仕方ないな~」というようなお茶目なジェスチャーをしつつ、アンコールを2曲もプレゼント。
ドビュッシー「月の光」、シューベルトの歌曲『美しき水車小屋の娘』より「どこへ?」(ラフマニノフ編)、という聴きなじみのある曲にうっとり浸りつつ、終演となりました。

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ご来場いただきましたみなさま、レビューをお読みいただいたみなさま、ありがとうございました。


■今回も小学生による「こがねいジュニア特派員」が出動!
 後日、観賞レポートをアップしますので、お楽しみに。

(公演写真:藤本史昭)

本日のアンコール曲目

◇ドビュッシー作曲:「ベルガマスク組曲」より 月の光
◇シューベルト作曲(ラフマニノフ編曲):『美しき水車小屋の娘』より第2曲「どこへ?」

ご来場誠にありがとうございました。

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