パリ生まれ。パリ国立高等音楽院でヴラド・ペルルミュテールに師事。1975年クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール、1978年リーズ国際ピアノ・コンクールで優勝し、同年代のピアニストの中でも特に際立った存在として一躍注目を集めた。
これまでに、パリ管弦楽団、フランス国立管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、スイス・ロマンド管弦楽団、ウィーン交響楽団、WDRケルン放送交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団等の一流オーケストラ、コリン・デイヴィス、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、クルト・マズア、レナード・スラットキン、マレク・ヤノフスキ、ギュンター・ヘルビッヒ、ネーメ・ヤルヴィ、エリアフ・インバル、シャルル・デュトワ、ユーリ・テミルカーノフ等の指揮者と共演している。
デビュー当時より、シューベルト、モーツァルトの解釈には定評があり、その他リスト、ドビュッシー、フォーレ、ラヴェルの演奏も高く評価されている。名盤CDも数多く、中でもDENONからの「シューベルト:ピアノ作品全集(14枚組)」は特筆に値する。近年は、ヴォーグから「プレイズ・リスト、スクリャービン」を、エラートからルノー・カプソンやエベーヌ・カルテット等との「フォーレ:室内楽全集(5枚組)」をリリース。近年はアパルテより『ドビュッシー:ピアノ作品集』、『フォーレ:ピアノ作品集』、『フランク:ピアノ作品集』、『ラヴェル:夜のガスパール』をリリース。2020年、ラ・ドルチェ・ヴォルタからリリースした『ベートーヴェン:ピアノソナタ集』がクラシカ・マガジン誌の「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞。2022年、『Once upon a Time~リスト作品集』をリリース。
1991年から2009年までクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールの審査委員長を務め、現在は理事。パリ国立高等音楽院でも教授を務めた。日本では、2006年放映のNHKテレビ「スーパーピアノレッスン」で講師を務め、エスプリに富んだ演奏を披露し一世を風靡した。1996年、フランス政府から国家功労勲章を授与された。
(c)Caroline Doutre