昨年キャンセルとなりましたが、今年開催が決まった待望のコンサート。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団フルート首席奏者のワルター・アウアーさんの公演を開催しました。
プログラムの1曲目はフリューリングの「幻想曲」。
古典的な形式に則りながら、漂っては戻る音型や滲むように変化する和声進行など、世紀末ウィーンの香りが匂い立つ耽美的な作品。
アウアーさんのフルートと沢木良子さんのピアノの心地よい響きに客席は引き込まれていきます。
2曲目はモーツァルト作曲の「『ああ、お母さん聞いて』の主題による変奏曲」。
「きらきら星変奏曲」でおなじみのピアノ原曲をフルートとピアノの編曲版で聴く、めずらしいプログラムで、愛らしいメロディーから展開させる目まぐるしいテクニックで客席を魅了しました。
後半はベートーヴェン作曲の「ヴァイオリン・ソナタ 第5番」。
《春》の名で親しまれるこのヴァイオリンの名曲をフルートとピアノで披露。力強さ、華やかさを感じさせるフルートのメロディーに繊細なピアノの音が寄り添います。
最後の曲はR.シュトラウスの「ヴァイオリン・ソナタ」。
作曲者自身が優れたヴァイオリン奏者でもあっただけに高度な技術を要し、ピアノにも同等の活躍が求められるこの難曲であり大作を、トップ・フルート奏者が世界最高峰の響きで奏でました。
そしてアンコールは
シューベルトの「冬の旅」と
成田為三作曲「浜辺の歌」。
アウアーさんの流れるような指の動きとブレスの長さは圧巻で、また、ピアノ伴奏をされていた沢木さんの演奏も素晴らしく、互いにリスペクトしあっている様が滲み出て、紳士的な音楽が終始空間を包み込みました。
お客様からは「世界トップレベルのフルーティストの音色はすばらしくピアノと調和した響きに感動しました」「アウアーさんの笑顔も素敵で気持ちの良い上質な空間に連れて行ってくれた感じでした」などのお声をいただきました。
ご来場いただいた皆様、レビューを読んでくださった皆様ありがとうございました。
最後に、こきんちゃんと一緒に笑顔のお二人を。
■小学生の「ジュニア特派員」がレポートを書いてくれました。こちらもぜひご覧ください。
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.19】
(公演写真:藤本史昭)
本日のアンコール曲目は以下のとおりです。
シューベルト:《冬の旅》D911 より 第1曲〈おやすみ〉
成田為三:浜辺の歌
ご来場ありがとうございました。