梅雨明け直後の7月半ば、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(通称:MET)で上演されたヴェルディによる名作オペラ《椿姫》を大ホールで上映しました。
第一幕の初め、大きな白い椿の花が舞台の真ん中に浮かび上がり、その下でヒロインのヴィオレッタがベッドに横たわっている美しくも悲しい場面に冒頭から引き込まれます。
ヴィオレッタを演じる現代を代表するディーヴァ、ディアナ・ダムラウの透明感ある圧巻の歌唱力と、恋人のアルフレードを演じるトップテノール歌手のフアン・ディエゴ・フローレスの魅力的な高音が胸を熱くさせます。
「乾杯の歌」、「ああ、そは彼の人か~花から花へ」、「プロヴァンスの海と陸」など数々の名曲を壮大なオーケストラの演奏と共に歌い上げる出演者達。その姿をカメラワークで細部まで表情を見ることができて感動が更に増します。19世紀パリの華やかな社交界を感じられる豪華絢爛な宴の舞台や衣装にも目を奪われます。
そして休憩中には幕間でのステージ転換の様子や、出演者・スタッフの舞台裏でのインタビューなどが流され、椿姫の舞台裏を知ることにより、オペラの世界をより身近に感じられました。
クライマックスの第3幕のヴィオレッタがアルフレッドに看取られながら命が尽きていく場面では、ディアナ・ダムラウの圧巻の歌声と迫真の演技が素晴らしく、悲しみに覆われた舞台全体を映す映像に心が締め付けられました。
最後のカーテンコールでの映像では、客席の大歓声の中に自分がいるかのような臨場感があり、上映後にホールの照明が明るくなると客席から拍手が上がりました。
お客様からは「迫力のある音に感動しました」「目の前でオペラを観ている気持ちになれました」などのお声をいただきました。
ご来場いただきましたみなさま、レビューをお読みいただいたみなさま、ありがとうございました。
■公演の様子は、小学生の「こがねいジュニア特派員」もレポートしてくれています。こちらもぜひご覧ください。
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.3】
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.4】
(舞台写真:© Marty Sohl/Metropolitan Opera)