2/3(土)に、日本の伝統芸能である能を体験してもらう能楽講座を開催。実演を交えた講演という点にも注目が集まり、完売御礼となりました。
講師は能楽師 シテ方のお二人、松山隆之さんと小金井市出身の川口晃平さん。囃子方(はやしかた)も4人お迎えし、能と楽器のお話をたっぷり聞くことができました。
最初はスライドを見ながら松山さんが基礎知識を説明。室町時代に活躍した観阿弥・世阿弥が大成させていき、現代ではユネスコの無形文化遺産に登録されている《能》。
謡[うたい]・舞[まい]と囃子[はやし]で見せる5人は、まさに雛人形のリアル五人囃子。
丁寧な説明と実演で、敷居が高く難しいのではと思っていた能楽が、一気に身近に感じられます。
最初の講義は謡。おめでたい謡として結婚式でも聞く機会のある『高砂』の待謡の部分「高砂や この浦舟に 帆をあげて」を川口さんが解説。そのあとは素晴らしい謡を披露していただき、参加者も一緒に謡う体験をしました。音階の指導を受けながら、会場内には熱のこもった声が響き渡ります。
続いては囃子。囃子方の熊本俊太郎さん(笛方)、 森澤勇司さん(小鼓方)、 大倉慶乃助さん(大鼓方)、 姥浦理紗さん(太鼓方)がお1人ずつ登場し、楽器の説明や奏法、そして掛け声もレクチャー。参加者も声を張り、体を動かしながら楽しく教わります。
前半のラストは、最初に習った『高砂』の待謡を松山さんが披露。
颯爽とした神舞に大きな拍手が贈られました。
休憩中は両脇に飾られている舞台の写真を、みなさんじっくりと鑑賞していました。
後半は摺り足の説明から。スライドでは舞台から真っ直ぐ鏡板を見た景色(左側)と能面を付けた時の景色(右側)が映し出され、とても視野が狭いのに驚きました。
そのため摺り足は、板の上をすべるように滑らかに歩く、とても大切な所作とのこと。これを参加者の皆さんも体験!順番に舞台に上がって一列に並び、目線の高さを常に一定に保ちながら摺り足で歩きます。この貴重な体験に「歩き方のレクチャー体験が楽しかった」「摺り足体験ができてよかった」と終演後、沢山のお声をいただきました。
続いては能「羽衣」の公開装束着付け。天女役の川口さんの着付けを松山さんが行います。普段は見られない腰巻や鬘の付け方など、羽衣の着付けを目の前で見られる貴重な機会に参加者は一心に見入っていました。
着付けが完了し、最後は『羽衣』の天女の舞を披露。川口さんの迫力の謡と舞に、幽玄の世界へと誘われました。
ご来場いただいた方からは「解説と実演のバランスがすばらしかった」「能をより身近に感じることができました」などのお声が寄せられ、能の魅力を感じていただけました。
ご来場いただきましたみなさま、このレポートを読んでいただきましたみなさま、ありがとうございました。
3/9(土)には能と文学、音楽が融合するステージも開催!是非ご来場ください。
詳しくはこちら→「『星の王子さま』との出逢い~能と音楽で綴る物語~」