小金井 宮地楽器ホール

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【イベントレビュー】「弦楽器は語る」~ヴァイオリンの歴史

12/9(土)に控える「滝 千春 12-toneS」公演のプレ講座として、市内に工房を構える弦楽器職人の岩崎清夫さんを迎えて「弦楽器は語る」(全2回)と題したトークイベントを開催しました。初回のテーマは「歴史編~ヴァイオリンの歴史」です。

オープニングは、ヴァイオリニスト滝千春さんによる「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番より プレリュード」(J.S.バッハ)の演奏。端正な音楽の緻密さはそのままに、華やかで躍動感のあるバッハで観客を一気に惹きつけました。

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そこに今回の講師、岩崎さんが登壇し、資料を投影しながら2人でヴァイオリンの歴史を紐解いていきます。

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1644年にイタリアのクレモナで生まれたアントニオ・ストラディバリが製作した、かの有名な銘器「ストラディヴァリウス」の話に始まり、滝さんの愛器「カッパ」(1699年製)と、岩崎さんが作った新作ヴァイオリンの聴き比べや、弓で弦を擦って音を出すために欠かせない滑り止めの松脂をつけないでの試奏など、楽しい実験も組み込まれてレクチャーは進行します。

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そして、話はヴァイオリンの起源まで遡ります。馬のしっぽで作った「弓」で弦を擦るという発想が生まれたのは騎馬民族の馬頭琴が由来で、それがヨーロッパに伝わりヴィオラ・ダ・ガンバへと進化していったとのこと。そしてなんとヴァイオリンの出自は未だにはっきりしていないということに驚いたところで、今回の講座のために岩崎さんが製作したオールドヴァイオリンが登場!現代のヴァイオリンに比べて細く短い指板にガット弦が張ってあるため張力も弱く、全体が半音低いというその楽器を使って、滝さんが「パッサカリア」(ビーバー)を演奏。繊細で柔らかい音色は小ホールのサイズにもぴったりで、天使の降臨のように神々しい響きはピカルディ終止(バロック音楽で多用されていた、短調の曲が最後に長調の和音で終わること)を伴って一層の光を放っていました。

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続いて、イタリアで盛んだったヴァイオリン製作に対し、フランスで変貌を遂げていった弓の歴史も説明。楽器や弓の変化は、音楽の変遷やその背景にある演奏の場や社会構造の変化とともに歩んできたことがわかりました。これからも、新しい音楽や奏法が生まれるにつけ、もしかしたら楽器の構造も変わるかも!?しれません。

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…ということで、最後は現代音楽と称されるジャンルから「ストンプ」(コリリアーノ)をお届け。「ストンプ」とは、足を強く踏み鳴らすという意味。その名の通り、足を踏み鳴らすことが音楽に組み込まれています。また、そもそも通常とは異なる調弦だったり、グリッサンドが多用されていたりという斬新さもさることながら、純粋にジャジーでロックなかっこいい演奏に客席は釘付けとなりました。12月のコンサートも滝さんセレクト、渾身の「かっこいい」音楽との出逢いが待っています。ぜひ、お楽しみに!


■公演の様子は、小中学生の「こがねいジュニア特派員」もレポートしてくれています。こちらもぜひご覧ください。
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.16】

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12月9日(土)14:00開演「滝 千春 12-toneS」
詳細は【コチラ】から!

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