イベント詳細

日本フィルハーモニー交響楽団 木野雅之&信末碩才 インタビュー

心ときめく名曲や、楽器のヒミツをナビゲート付きでお贈りする「ひらけ!音楽の玉手箱~クラシック音楽の世界へようこそ~」。
大人から子どもまで幅広い世代にお楽しみいただけるコンサートに向けて、ソロ・コンサートマスター木野雅之(きのまさゆき)さんと首席ホルン奏者信末碩才(のぶすえせきとし)さんに、クラシック音楽の楽しさについてうかがいました。

◆生の音は刺激的!クラシック音楽の醍醐味はライブ

――クラシック音楽コンサートの楽しみ方を教えてください。

木野「生の音の素晴らしさを味わっていただきたいです。弦楽器は、弓で弦をこすって音が出る。管楽器は息を吹き込んで音を出す。そんな体の運動で音を出している様子を間近で見て、「あんなことができるんだ!」と新しい発見をしていただけると嬉しいですね」


信末「僕が魅力を感じたきっかけは吹奏楽の「キラキラしたかっこいい音」でしたが、今回の演奏会は弦楽器が中心なので「きれいな音」を楽しんでいただけるかと。音で心が洗われるような感覚を味わってもらえたら嬉しいです」

――クラシック音楽の面白さ、醍醐味とは?

木野「ポップスとの大きな違いは、基本的にはマイクを通さないこと。生音を、人間の技で聴かせることができるのがクラシック音楽の醍醐味です。そして、アンサンブルの調和。みんなで息を合わせてひとつのものを作る面白さです。音と音が重なり合うと素敵な音になるんですよ」

信末「クラシック音楽を聴くと、メンタルにとてもいい影響があると思っています。僕はバッハが好きで、疲れているときはバッハのはつらつとした作品を聴いて元気になることが結構あるんですよ。演奏する醍醐味は、ライブだということ。生の音なのでごまかしが効かない分、刺激的。毎回ジェットコースターみたいなドキドキワクワクする感じで演奏しています」

――ご自身の楽器の自慢できるところ、大変なところを教えてください。

木野「ヴァイオリンは非常に古い楽器で、私の楽器も来年で250歳。古いのでメンテナンスが大変です。暑さに弱く、夏は楽器のためにクーラーをつけっ放し。自分の体以上に楽器に神経を使いますね。また楽器を携えられるので、どこへ行くときも一緒なのがヴァイオリンのいいところです」

信末「ホルンは、形がかわいい。楽器を持っていろいろなポーズが取れるので写真映えしますよ。そして、音の良さ。なので作曲家は、オーケストラの中で首席ホルンにたくさんのソロを書いてくれています。難しい点は、ベルを後ろに向けて吹くこと。音が、後ろの壁に当たってからホール全体に伝わるので、遅延が発生しやすい。そのため少し早めに音を出す必要があるので、慣れるまで苦労するかもしれません」

――ご自身の楽器以外で演奏したい楽器はありますか?

木野「フルートですね。実は中学の時、フルートを吹いていたことがあるんです。ヴァイオリンと音域が近く、ヴァイオリン同様、楽器を携えて旅ができるのがいいですね。ギターも好きで、弾いていたことがあります。やっぱり持ち歩ける楽器が好きなのかもしれないですね」

信末「チェロです。弦楽器が奏でるレガート(音と音の間を途切れさせずなめらかに演奏する方法)にホルンは太刀打ちできません。音と音の境目を、指を滑らせて響きで埋めながら歌える弦楽器が、本当にうらやましい。その弦楽器の中でホルンと音域的にも役割的にも近く、かつ音色が一番好きなのがチェロ。弾いている姿もかっこいいですよね」

◆さまざまな名曲を美味しく楽しむプログラム

――今回の演奏会でソロを弾く曲について、聴きどころを教えてください。

木野「《四季》は詩に合わせて曲が書かれています。詩の情景や音楽から伝わる空気をぜひ味わっていただきたいです。と同時に、「今年の春はこんなだったなあ」とか、みなさんの季節ごとの思い出や体験が音とつながったら嬉しいです」

信末「僕は「木星」を演奏します。みなさんご存じのメロディを、ぜひお楽しみに! でも「木星」には、ほかにも素敵なメロディがいっぱいあるんですよ。今回はハイライト版で演奏するので、いろいろなシーンを楽しんでいただきたいです」

――最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

木野「ヨーロッパ、アメリカのいろいろな作品をご用意しています。音楽を通して世界中を一緒に旅することができたら、とても嬉しいです」

信末「たくさんの種類の料理を少しずつ食べるのって楽しいですよね。それと同じで、短い曲をたくさん聴くのはすごく楽しいですよ。そんなプログラムの演奏会です。きっとご満足いただけると思いますので、ぜひいらしてください」

2025年10月30日(木)
インタビュー:榊原律子

日本フィルハーモニー交響楽団 木野雅之&信末碩才 インタビュー

心ときめく名曲や、楽器のヒミツをナビゲート付きでお贈りする「ひらけ!音楽の玉手箱~クラシック音楽の世界へようこそ~」。
大人から子どもまで幅広い世代にお楽しみいただけるコンサートに向けて、ソロ・コンサートマスター木野雅之(きのまさゆき)さんと首席ホルン奏者信末碩才(のぶすえせきとし)さんに、クラシック音楽の楽しさについてうかがいました。

◆生の音は刺激的!クラシック音楽の醍醐味はライブ

――クラシック音楽コンサートの楽しみ方を教えてください。

木野「生の音の素晴らしさを味わっていただきたいです。弦楽器は、弓で弦をこすって音が出る。管楽器は息を吹き込んで音を出す。そんな体の運動で音を出している様子を間近で見て、「あんなことができるんだ!」と新しい発見をしていただけると嬉しいですね」


信末「僕が魅力を感じたきっかけは吹奏楽の「キラキラしたかっこいい音」でしたが、今回の演奏会は弦楽器が中心なので「きれいな音」を楽しんでいただけるかと。音で心が洗われるような感覚を味わってもらえたら嬉しいです」

――クラシック音楽の面白さ、醍醐味とは?

木野「ポップスとの大きな違いは、基本的にはマイクを通さないこと。生音を、人間の技で聴かせることができるのがクラシック音楽の醍醐味です。そして、アンサンブルの調和。みんなで息を合わせてひとつのものを作る面白さです。音と音が重なり合うと素敵な音になるんですよ」

信末「クラシック音楽を聴くと、メンタルにとてもいい影響があると思っています。僕はバッハが好きで、疲れているときはバッハのはつらつとした作品を聴いて元気になることが結構あるんですよ。演奏する醍醐味は、ライブだということ。生の音なのでごまかしが効かない分、刺激的。毎回ジェットコースターみたいなドキドキワクワクする感じで演奏しています」

――ご自身の楽器の自慢できるところ、大変なところを教えてください。

木野「ヴァイオリンは非常に古い楽器で、私の楽器も来年で250歳。古いのでメンテナンスが大変です。暑さに弱く、夏は楽器のためにクーラーをつけっ放し。自分の体以上に楽器に神経を使いますね。また楽器を携えられるので、どこへ行くときも一緒なのがヴァイオリンのいいところです」

信末「ホルンは、形がかわいい。楽器を持っていろいろなポーズが取れるので写真映えしますよ。そして、音の良さ。なので作曲家は、オーケストラの中で首席ホルンにたくさんのソロを書いてくれています。難しい点は、ベルを後ろに向けて吹くこと。音が、後ろの壁に当たってからホール全体に伝わるので、遅延が発生しやすい。そのため少し早めに音を出す必要があるので、慣れるまで苦労するかもしれません」

――ご自身の楽器以外で演奏したい楽器はありますか?

木野「フルートですね。実は中学の時、フルートを吹いていたことがあるんです。ヴァイオリンと音域が近く、ヴァイオリン同様、楽器を携えて旅ができるのがいいですね。ギターも好きで、弾いていたことがあります。やっぱり持ち歩ける楽器が好きなのかもしれないですね」

信末「チェロです。弦楽器が奏でるレガート(音と音の間を途切れさせずなめらかに演奏する方法)にホルンは太刀打ちできません。音と音の境目を、指を滑らせて響きで埋めながら歌える弦楽器が、本当にうらやましい。その弦楽器の中でホルンと音域的にも役割的にも近く、かつ音色が一番好きなのがチェロ。弾いている姿もかっこいいですよね」

◆さまざまな名曲を美味しく楽しむプログラム

――今回の演奏会でソロを弾く曲について、聴きどころを教えてください。

木野「《四季》は詩に合わせて曲が書かれています。詩の情景や音楽から伝わる空気をぜひ味わっていただきたいです。と同時に、「今年の春はこんなだったなあ」とか、みなさんの季節ごとの思い出や体験が音とつながったら嬉しいです」

信末「僕は「木星」を演奏します。みなさんご存じのメロディを、ぜひお楽しみに! でも「木星」には、ほかにも素敵なメロディがいっぱいあるんですよ。今回はハイライト版で演奏するので、いろいろなシーンを楽しんでいただきたいです」

――最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

木野「ヨーロッパ、アメリカのいろいろな作品をご用意しています。音楽を通して世界中を一緒に旅することができたら、とても嬉しいです」

信末「たくさんの種類の料理を少しずつ食べるのって楽しいですよね。それと同じで、短い曲をたくさん聴くのはすごく楽しいですよ。そんなプログラムの演奏会です。きっとご満足いただけると思いますので、ぜひいらしてください」

2025年10月30日(木)
インタビュー:榊原律子