小金井市在住など、地元ゆかりの豪華演奏家が集結したオーケストラ「こがねいガラ・オーケストラ」の演奏会も、今年で13回目となりました。
今年のプログラムはベートーヴェンもモーツァルトも出てこない、マエストロの茂木大輔さんいわく「変化球の年」。
まずは、オペラ『カルメン』でも有名なフランスの作曲家、ビゼーの組曲《アルルの女》第1組曲より「前奏曲」で幕開けです。
弦楽器の力強いユニゾンでファランドールが奏でられると、その主題が変奏曲的に展開されていきます。クラシックではあまり使われないサクソフォーンが登場し、主人公フレデリの弟を表す優しいメロディが奏でられます。のどかな風景が浮かぶ「メヌエット」、ロマンティックで夢見心地な「アダージェット」、ホルンが鐘のように響きわたる「カリヨン」と続き、色彩豊かなオーケストラの響きに、1曲目から満席の会場は大いに魅了されました。
続くプログラムはビゼー《アルルの女》第2組曲より「メヌエット」。
だれでも一度は聴いたことのある有名な曲ですが、あらためて聴くと、フルートとハープのデュオの美しさはもちろん、オーボエとのユニゾンやサクソフォーンのオブリガードなど、胸を打たれる「美」ポイントがあらゆる部分に散りばめられていました。
次は、9月に実施したプレ講座でも取り上げたウェーバー作曲「クラリネット協奏曲 第1番 ヘ短調」を、小金井市在住のクラリネット奏者で元読売日本交響楽団首席の藤井洋子さんの独奏でお届け。
オペラの序曲のような劇的なオープニングで、オーケストラは力強く、藤井さんのクラリネットはアリアを歌いあげるかのようにドラマティックに進みます。第2楽章はホルン三重奏と独奏クラリネットによるアンサンブルが息をのむ美しさで、静かに心に染み入りました。アウフタクトで始まる軽快な第3楽章では、速くて長いアルペジオやスケールのパッセージが多数登場。そんな超絶技巧を藤井さんは抑えめな表現で上品かつ優雅に歌い上げ、大喝采となりました。
休憩を挟んで後半は、高木綾子さんのフルート独奏でライネッケの「フルート協奏曲 ニ長調」からスタート。鮮やかなピンク色のドレスで登場すると、会場の期待感もますます上がります。
伸びやかに歌うフルートで第1楽章が始まると、様々に表情を変える音楽が展開され、茂木さんが「独奏フルートはもちろん、オーケストラも演奏の難易度が高い曲」というのも納得です。悲し気な第2楽章は、独奏フルートに寄り添うチェロの旋律も魅力的な美しさ、第3楽章は細かくて速いパッセージが次々と続く展開で、華々しいフィナーレへ。高木さんのエネルギッシュで華麗な演奏に大きな拍手が贈られました。
そしてラストはビゼーに戻り、「交響曲 ハ長調」を。ライネッケのフルート協奏曲が最晩年の作品だったのに対し、こちらはビゼーが17歳の時に書かれた曲です。しかし作品はその80年後の1935年に初演され、現在もあまり演奏機会のない「隠れた名曲」だそう。
ビゼーの才能と若さに溢れた、爽やかで伸びやかな音楽を、茂木マエストロとこがねいガラ・オーケストラが快活に表現し、その素晴らしい演奏に客席からの拍手が鳴りやみませんでした。
今回のコンサートには、音楽家を目指す若い世代を対象にした「インターンシップ制度」でオーディションに合格し、メンバーの指導を受けた3名のインターン生も出演。過去のインターン生も何名か、正規メンバーとしてステージに上がっており、ホールとオーケストラ、そしてお客様が一体となって、次世代の音楽家を応援しています。
【写真左から丸本颯香さん(ヴァイオリン)、清水咲里さん(ヴィオラ)、田中和樹さん(クラリネット)】
演奏後のひとことインタビューはXのポストもぜひご覧ください。
♪丸本さん・・・https://x.com/koganei_civic/status/1850493933094310315
♪清水さん・・・https://x.com/koganei_civic/status/1850494048303472644
♪田中さん・・・https://x.com/koganei_civic/status/1850494417431679259
毎年楽しみにしてくださっているファンも多いこがねいガラ・コンサート。今年も充実した時間をお過ごしいただけましたでしょうか。
ご来場いただきましたみなさま、このレポートを読んでいただきましたみなさま、ありがとうございました。
■公演の様子は、小学生の「こがねいジュニア特派員」もレポートしてくれています。こちらもぜひご覧ください。
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.11】
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.12】
(公演写真:藤本史昭)
本日のアンコール曲目は以下の通りです。
ジョルジュ・ビゼー作曲
アルルの女 第2組曲より
<間奏曲>~<メヌエット>抜粋
ご来場ありがとうございました。