公演のプレ講座として好評の、指揮者 茂木大輔さん(元NHK交響楽団首席オーボエ奏者)による「こがねいガラ・コンサートをもっと楽しむための音楽講座」を今年も開催!
前半は、ビゼー《アルルの女》についての曲目解説をお届けしました。
ビゼーはフランスの作曲家で、代表作は《カルメン》と《アルルの女》。《カルメン》は有名なオペラ作品ですが、組曲《アルルの女》も、戯曲の劇音楽として作曲されたものだそう。「アルル」というフランスの田舎町にいる「女」を巡る悲恋の物語です。
茂木さんは、ユーモアたっぷりにあらすじを紹介したのち、より詳しく、《アルルの女》第1組曲について解説。音楽的特徴とストーリーの関係性について紐解いていきました。ストーリーを追いながら音楽を聴くと、また違う味わいがありました。
後半は、今年の公演本編でソリストも務める元読売日本交響楽団首席クラリネット奏者 藤井洋子さんとピアニスト 出羽真理さんも登場。3人とも小金井市在住の音楽家で、ホールに歩いて来られる距離にお住まいのご近所さんです。
クラリネットという楽器の形状の変遷から、音色の特長、「クラリネット協奏曲」の聴きどころなどを、指揮者と演奏者それぞれの視点からの解釈や、デモンストレーションを交えながら対談形式で進行していきました。
藤井さんによると、様々な道具がそれを使う人たちのニーズに合わせて進化していくように、楽器のしくみや曲の中での使われ方も、作曲家や名手たちの相互作用によって進化しており、その劇的な変化をもたらした作曲家のひとりがウェーバーであり、当時の宮廷クラリネット奏者のベールマンだそう。
ウェーバー「クラリネット協奏曲」の一部をピアノとのデュオで演奏いただきましたが、クラリネットが得意とする軽やかで華やかなカデンツァ(自由で即興的な部分)も、オペラのレチタティーヴォ(話し言葉のように歌われる部分)のようにドラマティックでありつつも上品。会場が一気に優雅な雰囲気に包まれ、公演本編でのオーケストラとの競演もますます楽しみになりました。
最後は当初はリヒャルト・ワーグナー作とも言われていた、ベールマンの「アダージョ」を披露。美しく甘い、ロマンティックな旋律と、クラリネットの素朴で透明感のある音色が心に沁みました。
今回も、溢れる情熱と知識を惜しみなく披露してくださった茂木さん率いる、小金井の名手たちによる13回目の「こがねいガラ・コンサート」。どうぞお楽しみに。
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10月27日(日)15:00開演「こがねいガラ・コンサート2024」
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