公演のプレ講座として人気を博している、マエストロ 茂木大輔さんによる「こがねいガラ・コンサートをもっと楽しむための音楽講座」を今年も開催!
今回は、茂木さんが音楽大学卒業後に留学していたミュンヘンのご当地作曲家、リヒャルト・シュトラウスを深堀り。公演本編でもR.シュトラウス「オーボエ協奏曲」のソリストを務められるオーボエ奏者 杉本真木さんと小金井市在住のピアニスト 出羽真理さんによる生演奏や、CDでの音源紹介を挟みながらレクチャーをお届けしました。
R.シュトラウスは、父親がホルン奏者。子どもの頃からオーケストラが日常にある環境で育ったため、料理を作るように自然と楽譜を書いていたそう。そんな楽観的で明るい側面と、セリフ化した台本ではなく小説をそのままオペラにしてしまう文学的で前衛的な側面、絢爛豪華なオーケストレーションや、連綿と綴られるメロディー(杉本さん曰く“壮大な一筆書き”)など、多面的な魅力を紐解いていきました。
R.シュトラウスといえば、ヴァーグナーの系譜を継いだ重厚な交響詩やオペラが代表作に思い浮かぶところですが、演奏では交響詩『ドン・ファン』、オペラ『薔薇の騎士』、オペラ『サロメ』より「7つのヴェールの踊り」、と各作品から有名なオーボエ・ソロを披露。その優美な音色は会場をうっとりと魅了しました。
そして、公演本編でも演奏する「オーボエ協奏曲」についての逸話も。これまで、交響詩やオペラの作曲家として、また指揮者として大活躍していたR.シュトラウスですが、純粋な器楽曲は書いていませんでした。ところが、戦後、アメリカ軍楽隊(西側)のオーボエ奏者であったジョン・デ・ランシーが、はるばるドイツ(東側)のR.シュトラウスを訪問し、熱心にオーボエ協奏曲の作曲を依頼したことを機に書かれたとのこと。晩年に、東西の垣根を超えた芸術の交流が生み出したこの曲。一部をピアノとのデュオにて演奏していただきましたが、モチーフもわかりやすく、秋空のようにすがすがしく明るい曲で、オーケストラとのコンチェルトもますます楽しみになりました。
今回も、溢れる情熱と知識を惜しみなく披露してくださった茂木さん率いる、小金井の名手たちによる11年目の「こがねいガラ・コンサート」。どうぞお楽しみに。
*******
10月22日(日)15:00開演「こがねいガラ・コンサート2023」
詳細は【コチラ】から!