9月24日、残暑も笑いで吹き飛ばす、当代随一の人気を誇る柳家さん喬一門会による、「こがねい落語特選」が催されました。会場は満員御礼です。
前座は柳家小きちさん。演目『松竹梅』で、元気に始まりました。
そして柳家喬之助師匠の登場です。「初めて職務質問をされた出来事」のマクラで笑いを誘っての演目は『夏泥(なつどろ)』。貧乏長屋に住むしたたかな男と情け深い泥棒を、みごとな掛け合いで会場を沸かせてくれました。
続いて古典と新作の二刀流、柳家喬太郎師匠です。見台(釈台)の前に座り、開口一番「笑点の司会を狙っているわけではございません」と、会場は大爆笑。コロナ禍の話題から出張公演のできごと、趣味のウルトラマンの話ではスペシウム光線の違いについて立ち上がってポーズを付け、喬太郎節を繰り広げます。そして、演目は『擬宝珠(ぎぼし)』。奇妙な嗜好の若旦那の噺に、喬太郎師匠のインパクト強めの演技力でどんどん引き込まれていきました。
仲入り後はさん喬師匠、喬太郎師匠、喬之助師匠による鼎談。五代目柳家小さん師匠との思い出話や、印象深い高座の話など普段聞けないウラ話や師弟愛溢れるかけ合いに、大いに盛り上がりました。
そして大トリは柳家さん喬師匠です。「囲碁将棋に凝ると親の死に目に会えない、なんてことを言います」からの演目は「笠碁(かさご)」。師匠の柔らかい語りで、碁打ちのご隠居さん同士の会話が心地よく、やり取りが目に見える様。笑いと心和む人情噺に会場中が酔いしれました。
お客様からは「味のある深い噺でした。鼎談も楽しく聴きました」「素晴らしかった。こんな笑いがあることを若い人にも知ってほしい」などのお声をいただきました。
ホワイエでは、今年度2回目となる『にっぽん、体感。―古典芸能の祭典』シリーズ共通の来場者特典企画を実施。友の会年会費無料、「柳家さん喬 一門会」の出演者による豪華!サイン色紙、主催公演で使えるカフェチケット、和イラストの雑貨など(特典は公演により異なります)が抽選で当たる企画に、来場者の半数以上の方からご応募があり、大変賑わいました。ぜひこの機会に、古典芸能公演へご来場いただき、来場者特典企画へもご参加ください。 詳しくはこちら→【にっぽん、体感。―古典芸能の祭典】
2023年度も「納涼」と「新春」の2本立てで落語会を開催してまいります。
2024年1月28日(日)の「新春」こがねい落語特選もぜひ御贔屓に!
【新春 昇華爛漫の会】
ご来場いただきましたみなさま、このレポートを読んでいただきましたみなさま、ありがとうございました。
■公演の様子は、小中学生の「こがねいジュニア特派員」もレポートしてくれています。こちらもぜひご覧ください。
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.9】
【こがねいジュニア特派員 イベントレポート vol.10】
公演写真:藤本史昭
こがねい落語特選「納涼 さん喬一門会」の番組は、以下の通りです。
〔開口一番〕 柳家小きち・・・松竹梅
〔落語〕 柳家喬之助・・・・・夏泥
〔落語〕 柳家喬太郎・・・・・擬宝珠
<お仲入り>
〔鼎談〕 柳家さん喬、喬之助、喬太郎
〔落語〕 柳家さん喬・・・・・笠碁
ご来場、誠に有難うございました。